からだに優しい、根菜&きのこ類秋野
秋野菜
実りの秋は、根菜やきのこ類のおいしい季節。
旬の食材は栄養価が高く、体に優しい効果があります。
根菜類は体を温めて、消化吸収をサポートし、きのこ類は疲労回復に役立つ優秀食材です。
秋野菜をいただいて、元気をチャージしませんか。
エネルギーを蓄えて育つイモ類は日本の伝統食材
秋になるとおいしさが増すサツマイモ、サトイモ、ヤマノイモ、れんこん、にんじん、ごぼうなどの根菜。冬の寒さに備えてたっぷりとエネルギーを蓄えて
育つので、体を温める性質があるといわれています。なかでもイモ類は、日本の食文化と深いかかわりがある伝統食材です。
かつてはイモといえばサトイモでした。その歴史は古く、縄文時代中期頃に日本へ伝わり、稲作以前の主食だったと考えられています。農耕儀礼の供物として捧げられるなど、日本人にとって大切な食材でした。今でも中秋の名月を「芋名月」と呼び、サトイモ(衣かつぎ)を供える風習が残っています。サトイモは、昔からお正月料理にも使われ、縁起物の八ツ頭はおせちの定番。お雑煮にサトイモを使う地域もあります。
サツマイモも日本人にはなじみ深い食材です。原産地は中央アメリカといわれ、日本に広く浸透したのは江戸時代。蘭学者の青木昆陽が、薩摩から取り寄せた種イモを各地に持ち込んだとか。
収穫量の多いサツマイモは、天明の大飢饉や戦後の食糧難の時代、日本人の食生活を支えてきました。イモ粥、甘露煮、天ぷらなど調理法はさまざま。江戸時代に著された『甘藷百珍』には、123品のサツマイモ料理が紹介されているというから驚きです。
ヘルシーで栄養豊富なきのこは種類も豊富
しいたけ、しめじ、まいたけ、まつたけ……低カロリーで栄養豊富なきのこ。広葉樹に自然生するきのこは、人工栽培によって身近な食材に。しいたけは、昭和に入ってから本格的に栽培が始まりました。かつてはコナラなどに種菌を植える原木栽培が主流でしたが、現在はおがくずを固めて種菌を植える菌床栽培が普及。50年ほど前までは生しいたけよりも、干ししいたけのほうが一般的で、干ししいたけは高級品で精進料理に使うダシとして珍重されていました。「香りまつたけ、味しめじ」でおなじみのしめじ。一般的にしめじと呼ばれているものは、ぶなしめじ。ほんしめじとは別物です。ぶなしめじは1970年代に本格的な人工栽培が始まりました。昔は「幻のきのこ」と呼ばれていたまいたけ。菌床栽培が確立されてから広く出回るようになり、今ではすっかりおなじみに。エリンギは1990年代に日本での栽培が始まった比較的新しいきのこです。
秋野菜の選び方&使い方の基本
お店での選び方や料理の下ごしらえのポイントをご紹介します。秋野菜をたっぷり使って料理上手に。