赤ちゃんのお肌と紫外線とのつきあい方
インタビュー 子育て・教育
生まれたての赤ちゃんの肌は胎脂に守られている
ママのおなかの中にいるときから生後間もない赤ちゃんの皮膚のこと、知っていますか? 妊娠20週以降の羊水は、実は胎児のおしっこなどから成り立っています。皮膚はまだ大人の皮膚とは異なる状態で、この羊水のなかで、水分を蒸発させないために、赤ちゃんを「胎脂」というものが保護しています。
生まれたての赤ちゃんの肌についている白いクリームのようなもの、といえばわかりますよね。生まれてしばらくの間もまだ皮膚が完成していないので、皮膚の水分の蒸発をこの「胎脂」が留めています。だから新生児のころから朝、昼、晩とお風呂に入れて洗いすぎ、胎脂を無理やり取る必要はないのです。
そして、1カ月ごろから赤ちゃんの皮膚は脱皮するかのように、ポロポロと剥けていきます。そして、新しい皮膚と入れ替わっていくのです。
赤ちゃんの骨を形成するため、適度な日光浴を
これからの季節は、紫外線の影響はもちろん、地面からの反射熱、PM2.5や感染症のことなど、ママにとっては「まだ小さい赤ちゃんを外出させていいの? 」と心配する要素もあるでしょう。人間は20歳までに一生分の骨を形成します。
丈夫な骨を作るには、カルシウムや必要な栄養素の摂取、適度な運動、そして骨を作るために必要な栄養分、ビタミンDが必要です。
このビタミンDを活性化するために適度な日光浴も必要になります。丈夫な骨を作ることは、将来的には骨粗しょう症の予防にもつながるので、生後1カ月程度が過ぎたら外に出ることに過敏になりすぎず、紫外線対策をしながらお外に出してあげることも大切です。
手のひらや足の裏に紫外線が当たるだけでも成長に必要なビタミンDは十分活性化されます。薄着の時期は、日焼け止めを塗ってお出かけすると良いでしょう。暑い季節には、赤ちゃんの顔色や様子を見ながらお散歩し、外出前後に水分補給をしてあげてくださいね。
コラム
Q:肌にバリアを作って、さまざまなダメージから皮膚を保護する新発想の「ファムズベビー」がママたちから大きな支持を受けています。
その「ファムズベビー」にUV機能が加わった日焼け止め「エンジェルUVスプレー」が発売されましたが、感想をお聞かせください。
A:海老根先生
私は過去にアトピー性皮膚炎だった経験があります。私の場合は、体の外から中からさまざまな方法を試して治りましたが、実際今の医療でできることは、ステロイド剤でまずは治療し、ワセリンなどで保湿するというのが一般的。
ワセリンは原油を精製して作られています。ワセリンやオイルで傷ついた皮膚のバリア機能を補って保湿するにしても、油は酸化しやすいという特徴があるので、オイル系で保湿する際には注意が必要だと常に思っています。
アトピー性皮膚炎に限らずですが、傷ついてしまった肌はバリア層が壊れてしまった状態なので、細菌が入りやすく、肌が再生するまでは刺激を与えないことが大事です。
そんななか「ファムズベビー」は油ではない成分で皮膚をコーティングできるという発想がおもしろいと思いました。刺激を最小限にとどめながらコーティングして皮膚の自然な回復力をサポートしてあげるという意味で、とてもよいアプローチだと思います。
さらに日焼け止め機能が加わった「エンジェルUVスプレー」も、肌を保護しながら紫外線によるダメージを防げるのがいいですね。スプレータイプなら缶の中の成分が酸化するのを防ぎやすいという点でも良いと思います。
Q:赤ちゃんに日焼け止めを選ぶ際の注意点などがあれば教えてください。
A:海老根先生
主に強い日焼け止めに入っている「紫外線吸収剤」は化学物質で、紫外線のエネルギーを吸収する際に熱を帯びて肌にダメージを与えてしまいます。
また、なんとなくオーガニック製品や、無添加と記載された製品は体に悪くなさそう……というイメージを持ちがちですが、実は体には決して良くないけれど、法律上表記しなくてもいい代わりの成分が入っている、または成分は良くても、紫外線から守るパワーはあまりない、ということもあります。
「エンジェルUVスプレー」にはチタンを成分とした「紫外線錯乱剤」が入っていますが、肌へのダメージは紫外線吸収剤より抑えられます。
“紫外線吸収剤”と“いわゆる体によさそうなイメージの製品”のちょうど中間的存在の「エンジェルUVスプレー」は、肌へのダメージを抑えながら、赤ちゃんを紫外線からしっかり守りたいというママに嬉しい商品ですね。
また、肌にバリアを形成するということは、UVケアをしながら乾燥、ホコリ、汗、摩擦、雑菌などの刺激も防げるので、赤ちゃんが成長し、公園などへ外遊びに出かけるようになっても、安心して使い続けられるのではないでしょうか。