赤ちゃんが泣きやまない! 新生児のママ必見!
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赤ちゃんが泣きやまない! 新生児のママ必見!
新生児の育児は授乳で睡眠不足になるうえ、気持ちが落ち込みがちなママが多いようです。松峯寿美先生にお話を伺いました。
2018.12.22
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新生児の育児は、授乳で睡眠不足になるうえ、夜泣きや母乳の量への不安などから、気持ちが落ち込みがちなママが多いようです。東峯婦人クリニック院長/産前産後ケアセンター 東峯サライセンター長の松峯 寿美先生にお話を伺いました。
「新生児」と呼ばれる期間は? 「乳児」との違いは?
無事に退院し、待望の赤ちゃんとの生活がスタート。幸せいっぱいのはずだったのに、新生児の育児はわからないことや思うようにならないことばかり……。出産後の女性は精神的な疲労や不安を抱えてしまいがちです。落ち込みがひどくなると産後うつのような状態になるお母さんもいます。こうした新生児期特有の育児ストレスを、上手に乗り越えるにはどうしたらよいでしょうか。
まず、新生児と呼ばれる時期ですが、産まれてから7日×4週間、計28日間の短い期間を指します。その間は生後○日または○週間として細かい単位で数えます。妊娠中も28日周期で計算しますが、産まれてすぐの赤ちゃんは成長がめまぐるしく、1日、1週間ではまったく違ってきます。しかし、4週間を過ぎると成長もゆるやかになるため、その後はカレンダー通りに生後○カ月と呼ぶようになります。
混同されがちな呼び名に乳児がありますが、児童福祉法で乳児は、新生児期を含めて1歳未満の期間とされています。
「一滴でも飲めば母乳育児」完全母乳にこだわらない
急成長する新生児の育児で、お母さんが一番戸惑うのは、おっぱいをあげても赤ちゃんが泣きやないことです。そうした場合の原因は、次の3つが考えられます。
①まだお腹がすいている ②おむつが濡れて気持ちが悪い ③(少し大きくなってきて)抱っこしてもらいたい 赤ちゃんがおっぱいを飲みながらウトウトして、寝かせるとまたすぐに泣き出してしまうのは母乳が足りていない可能性が高いです。ちょっとミルクを足してみましょう。また、ミルクのほうが母乳よりおなかもちがいいので、夜寝る前だけミルクにすることで、赤ちゃんが長く寝てくれるというメリットもあります。ただ、産後1~2週間は、おっぱいから母乳にしかない免疫グロブリンが入った黄色い初乳というものが出ます。この母乳を飲むことで生後3カ月までお母さんの免疫に守られて、赤ちゃんは大きな病気をしないのです。出る分だけでよいので一滴でもしぼって飲んでもらいましょう。よく「一滴でも飲ませたら母乳育児」と言われますが、母乳があまり出ない、あるいはほとんど出なくなっても気にしないことです。日本で売られているミルクの成分は大変優れていますから、初乳を与えつつ、混合や完全ミルクに移行して良いのです。
また、「おむつも濡れてないしお腹もすいてないのになぜ泣くの? 」という時があります。これは抱っこをしてほしいという赤ちゃんのリクエストです。お母さんのお腹のなかにいた時、赤ちゃんは羊水の中で、お母さんが動くたびにゆらゆら揺れていました。そのため、寝かされているよりも抱っこして揺らしてほしいのです。ですからお母さんはできるだけ抱いてください。抱っこする時間が長いということに対して、後ろめたい気持ちを持たなくて良いのです。
産後ケア支援を利用するなどして、上手に息抜きを
とはいえ、抱っこばかりしていては疲れますし、寝不足に加えて思い通りにいかないことばかりで、気持ちが沈む時もあるでしょう。とくに産後2週間ぐらいには胎盤ホルモンが体の外にすべて排泄されるため、ホルモンバランスが激変し、この時期は精神的に不安定になりやすい状態です。また、真面目な優等生タイプのお母さんほど手抜きができず、自分を追い詰めてしまいがちです。
そうならないためには、ご主人や家族など周囲の人に抱っこを代わってもらったり、話を聞いてもらうなど、どんどん支援してもらうとよいでしょう。でも、なかにはワンオペ育児などで家族の助けを期待できない人もいます。そうしたお母さんもしっかりと産後ケアが受けられるよう、最近は当院のように宿泊型や日帰り型で産後ケアを行う施設が増えてきました。行政もこの方面への理解を深め、産後ケアへの取り組みを積極的に始め、サービスの利用料を助成するクーポンなどを発行している自治体もあります。上手に利用して、息抜きをしながら、明るい気持ちで育児をすることに役立てましょう。
松峯先生より まとめ
新生児の育児では、まず母乳が最初に出なくても気にしないことです。しかし、母乳と言うのは1滴しぼると2滴出てきて、2滴しぼると4滴出てくるものです。倍々で出てくるメカニズムを持っているので、あきらめずにしぼってみてほしいと思います。また、一方で今は優れたミルクができていますし、今後は液体ミルクも国内に導入されると言われています。そうした文明の利器を使って、肩の力を抜いた育児をやってみてください。
そして、もう一つ大切なことは、「他人に預ける育児」に罪悪感を持たないことです。子どもはさまざまな人たちに面倒をみてもらわないと成長できません。自分も交えて社会全体で育てていくつもりで、1人で無理しない育児を実践してほしいと思います。
東峯婦人クリニック院長 松峯寿美 先生
東京女子医科大学、同大学院卒業。東京女子医科大学・大学病院での勤務時代に多くの女性が不妊治療を望んでいることを知り、自らはたらきかけて不妊外来を創設する。
1980年、江東区木場に東峯婦人クリニックを開業、今年37年目を迎える。開業当時は不妊症外来のみだったが、患者さんのニーズにこたえるため産科を併設し、現在は帝王切開での分娩も対応が可能である。
その後、2015年は産前産後ケアセンター・東峯サライを設。開業にあたってはフィンランド、韓国、台湾などの産後ケアと呼ばれる施設の視察を行い、日本の風土にあった産後ケア施設設立を心がけた。
つねに患者さんの立場での医療行為を考え、フロンティア精神にあふれる。
医学博士、日本産婦人科学会専門医。
≫ 東峯婦人クリニック
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