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今、自分のカラダを見つめよう

コラム 妊活

今、自分のカラダを見つめよう

昨年行った不妊治療経験者2000人アンケート。治療で感じている生の声を届け、反響を集めました。コメントで多かったのが、「若いから大丈夫」という認識を変えなければいけないこと。今号では、若いうちに検査を受けることの必要性を考えます。

2020.3.2

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いつか子どもを産みたいと思っているアナタへ。
今、自分のカラダを見つめよう
昨年行った不妊治療経験者2000人アンケート。治療で感じている生の声を届け、反響を集めました。コメントで多かったのが、「若いから大丈夫」という認識を変えなければいけないこと。今号では、若いうちに検査を受けることの必要性を考えます。


「Jineko vol.44 2019 Winter」の2000人アンケート記事はこちら


不妊治療の実際① ~不妊治療中・経験者の方に聞きました~


不妊治療の実際② ~妊娠した人・妊娠以外の理由で治療をやめた人に聞きました~


不妊治療を取り巻く環境、こう変わってほしい!ジネコも動きます!



※2020年2月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.45 2020 Spring」の記事です。


アンケートに多くの経験者から寄せられた声。それは、「患者側も医療者側も“まだ若いからタイミングをとればそのうち子どもはできるだろう”という認識は、変えるべき。なぜなら、それが不妊原因の特定やステップアップを遅らせたりすることになるから。そして、気がつけば“高齢”といわれる歳になってしまう」というものでした。
実際、この時のアンケートでも、クリニックの門をたたいたきっかけは、「子づくりにチャレンジしても1~2年できなかったから」という人が半数を超え、「将来に備えて不妊原因がないか調べようと思ったから」という人はわずか15%のみでした。
「生理もちゃんときているし、不調もない」、「結婚の予定もまったくない」、「まだまだ若い」。だから検査なんて必要ない、と思っているアナタ、本当にそうでしょうか? いつかやってくる「赤ちゃんが欲しい」と思う時に備えて、今、自分の体をチェックすることがとても大切なのです。
自分のカラダを知るための検診は、どんなタイミングで受けたらいいのでしょうか。検査ではどんなことを調べるのかも気になりますね。女性のニーズに応じた検診を行っている、広尾レディースの宗田聡先生に検診の大切さやその内容について教えていただきます。


お話を伺った先生のご紹介

宗田 聡 先生(広尾レディース)


筑波大学卒業、その後同大産婦人科にて研修。Tufts大学(ボストン)遺伝医学特別研究員、水戸済生会総合病院産婦人科部長・茨城県周産期センター長、パークサイド広尾レディスクリニックを経て、広尾レディース院長に。



≫ 医療法人HiROO 広尾レディース

若い時に検診を受けに行く女性は多くありません。その意義を教えてください。


女性が若い時に検診を受けるのはとても意義があります。理由は二つあって、一つは男性と違って、女性は若いうちからかかる病気が多くあるということ。20代30代の乳がん、子宮頸がんはすごく増えています。早いうちに見つけないと、命にかかわることになります。
子宮頸がんは性交渉によるHPVというウイルス感染が原因で起こり、感染すると数年後にがんが発症します。毎年、1万人が発症し、3500人が亡くなっています。初交年齢が早ければ、20歳前後でがんになる人もいます。子宮頸がんワクチンは、世界では当たり前になっていて、今では男性も打つようになってきていますが、日本ではほとんど浸透していません。子宮頸がんにかかるリスクにさらされているわけですから、なおさらのこと、性交渉をするようになったら検査を受ける必要が出てきますね。
また、クラミジアなどの性病に知らぬ間にかかっていることがあり、それがお腹の中で炎症や癒着を起こすと、将来不妊の原因になってしまいます。性病は自分では気づけませんし、がんは自覚症状が出てからでは手遅れということがあるので、どちらも初期のうちに検診で見つけて治療することが重要です。
もう一つは、子どもをつくるのに問題ない体かどうかを知っておくのが大事だということです。よく「子どもができるか、診てください」と言う人がいますが、それは少し違います。子どもは夫婦でつくるものですし、健康でもできるとは限らないですから。ただ、子宮筋腫や子宮奇形があると、いざ子どもをつくろうという時に問題が出てきます。早いうちにそのことを知り、子どもをつくりたい時に向けて備えておくということが、大事なのです。


広尾レディースの検診、レディースコースとプレママコース。特徴を教えてください。


レディースコースは、まだ子どもをつくる予定はないけれど、今の自分の体の状態を知りたいという方向けの内容です。基本の血液・尿検査、子宮や卵巣のチェック、主な性病の検査、女性ホルモンや生理不順の原因になる甲状腺ホルモンなどを検査します。
プレママコースは、ブライダルチェックともいわれるもので、子どもをつくることを考え始めた方向けの内容です。レディース検診の項目に加え、より多くの種類の性病検査、B型C型肝炎や麻疹・風疹の抗体検査なども入ってきます。
受けに来られる方は半々くらいですが、若い方はレディースコースが多いですね。海外赴任が決まり2年は子づくりできないので、行く前に自分の体の状態を知っておきたいという方や、検査をして問題なければ逆に子づくりをもう少し先送りしようという方など、理由はそれぞれですが、自分の体を知ろうという意識の高い方が多いです。
子どもが欲しいと思った時に、もしも病気があったら、すぐに産めない状況になるかもしれません。そこから検査して、治療して…となると年齢も上がってしまいます。そうならないために、ぜひ20代から健康チェックをしてもらいたいですね。


★Advice
子どもが欲しいと思った時のために20代からの
健康チェックはとても大事です。

出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.45 2020 Spring
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