【Q&A】妊娠と潜在性甲状腺機能低下症
2014.12.22 09:51 0 0
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質問者: Q&Aさん(13歳) ジネコ会員 |
このスレでは、ドクターQ&Aに寄せられた質問と
その回答をご紹介します。
■投稿者: みち(事務員 28歳)
潜在性甲状腺機能低下症でも、妊娠が可能か聞きたくてご連絡しました。
私は8月10日に初期流産をしました。胎芽も見えず、胎嚢の成長も止まり、自然流産でした。
それから、一週間後血液検査で潜在性甲状腺機能低下症の疑いがあると診断されました。TSHは5.2で、FT4は0.97です。
次回は三ヶ月後に再検査と言われました。
このまま何も治療せず、妊娠は可能なのでしょうか?
流産が辛かったため、不安です。
■回答者:吉田レディースクリニック 吉田仁秋先生
みちさんが診断された「潜在性甲状腺機能低下症」は、あまり聞いたことがありませんが、1回の血液検査だけでは、基本的にはなんともいえないと思います。甲状腺機能低下症であれば、例えば自覚症状として全身に倦怠感があったり、やる気が起こらない、また、基礎代謝が下がって太ってきたりします。
逆に甲状腺機能亢進症の場合は、基礎代謝が上がって体重がどんどん減ってくる。ドキドキするといった動悸も症状として出やすい。甲状腺機能低下症も亢進症も無排卵や流産の原因になりますが、みちさんが血液検査で調べられた甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値が、即ち甲状腺機能低下症とは限りません。
一方で、甲状腺機能低下症でも亢進症でも自分で気がつかないうちに進行する場合が確かにあります。
その意味でも甲状腺ホルモンの血液検査だけでなく、同じ脳下垂体から分泌されるほかのホルモンLH(黄体化ホルモン)やFSH(卵胞刺激ホルモン)、PRL(乳汁分泌ホルモン)、またエストロゲンなどの女性ホルモンがきちんと機能しているかどうか、基礎ホルモンをチェックするのが大事と考えます。
このまま様子をみて、3カ月後に再検査するのは妥当かと思います。疑いがあれば、治療が終わってから妊娠ということになりますね。“潜在性”の甲状腺機能低下症とは、低下症が隠れているという意味でしょうか。検査では、負荷試験をされて調べられたのでしょうか?
というのも、“潜在性”といえば乳汁分泌ホルモンであるプロラクチンの分泌が上昇する高プロラクチン血症を診断する際に、負荷試験を行う場合があります。プロラクチンを投与して30分後、1時間後の血液中の値を調べますが、正常の場合でも上昇するケースがあります。この場合は、プロラクチンを下げる薬を処方します。
「このまま何も治療せず、妊娠は可能でしょうか」ということですが、先述しましたように、甲状腺だけでなくほかの基礎ホルモン検査に異常がなく、甲状腺機能低下症の症状がなければ、もちろん可能です。
みちさんは、妊娠の経験もおありです。残念な結果でしたが、不育症のチェックは受けられましたでしょうか。赤ちゃんが成長するための発育能力が弱かったのかもしれませんし、甲状腺の機能低下だけが要因とは一義的には決められません。
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