赤ちゃんとペット、スキンシップで菌はうつらない!?
妊娠をきっかけに、赤ちゃんとペットは一緒に暮らしても大丈夫なのかと心配される方も多いかと思います。そこで今回は、どんなところに気をつければよいのか、医師に解説していただきました。
ペットからうつる可能性がある代表的な感染症【犬編】
パスツレラ症:パスツレラ菌は健康な犬の半数、猫のほぼ100%で口腔内に存在します。噛まれること、ひっかかれること、菌を吸い込むことで感染する可能性があります。治療は抗生物質です。
レプトスピラ症:感染している動物の皮膚に触れることで感染する病気ですが、犬の混合ワクチンの中に含まれている病気ですので、ワクチンをきちんと受けて予防しましょう。
瓜実条虫症(うりざねじょうちゅうしょう):瓜実条虫という寄生虫に感染したノミ、シラミを飲みこんでしまうことで感染します。ノミの駆除が予防として効果的です。
エキノコッカス症:ほとんどが北海道での発症で、次いで青森、それ以外ではこれまでに数名と、分布が特徴的です。感染した犬は無症状ですが、犬の糞便中の虫卵を飲み込むと肝不全をおこす病気で、治療は手術が有効です。
狂犬病:ワクチンの普及により、1957年以降日本での報告はありません。
ペットからうつる可能性がある代表的な感染症【猫編】
ネコ回虫症、イヌ回虫症:猫や犬の糞便中の虫卵を飲み込むことにより感染し、健康な大人では症状はでませんが、免疫が未熟な赤ちゃんでは可能性がないとはいえません。
Q熱(コクシエラ症):菌を吸い込んだり、飲み込んだりすることで感染し、発熱後、だるい感じが続く症状があり、抗生物質で治療します。
ネコひっかき病:猫だけでなく犬にもあり、ひっかかれたり、咬まれること、感染しているダニに刺されることで感染し、抗生物質で治療します。
トキソプラズマ症:感染した猫の糞便を飲み込むことで感染します。感染原因となる生肉を猫に食べさせないようにして予防しましょう。
ペットからうつる可能性がある代表的な感染症【その他編】
皮膚糸状菌症:ウサギ、ハムスター以外に犬や猫でもみられます。感染した動物は円形脱毛が起き、感染動物をだっこすると人にもうつります。抗真菌薬で治ります。カビの一種ですので、風通しの良い場所で飼育しましょう。
オウム病:感染しているインコ、オウムなどに咬まれたり、糞を吸い込むことで感染します。治療は抗生物質です。
赤ちゃんとペットが暮らすために気を付けること
赤ちゃんは免疫機能が未熟ですから、大人以上に感染には充分配慮しましょう。
・ペットと遊んだあとは手をあらう
・キスや口うつしでエサをあげるなど、過剰な接触は避ける
・一緒に寝ない
・保護者が席をはずす時は、ペットはケージへいれる
・トイレやエサは赤ちゃんが触らないような場所に置く
・糞はすぐに処理する
・ペットにワクチン接種をする(犬なら混合ワクチンと狂犬病ワクチン)
・ペットにノミ、マダニ、シラミの駆虫薬を定期的につける
・ペットの定期検診(糞便検査を含む)を受ける
・噛まない!ひっかかない!など躾をしっかりする
・猫は家の中で飼う(猫の感染を防ぐ)
メリットもたくさん!赤ちゃんとペットの暮らし
生後まもなくからのペットと暮らしが、喘息やアレルギーの発症予防に効果的であったという海外での報告があります。しかし、お子さんが既にアレルギー体質をわかっている場合は新たにペットを飼い始めると悪化の危険がありますのでお控えください。
見るもの全てを口に入れてしまうような赤ちゃんの時期に、新たにペットを迎えいれるというのはお勧めできません。ペットも予防接種が完了しておらず、免疫が未熟だとより感染性は高まります。お子さんの衛生管理が自立して、アレルギー体質でないことを確認しましょう。
メリットもたくさん!赤ちゃんとペットの暮らし
生後まもなくからのペットと暮らしが、喘息やアレルギーの発症予防に効果的であったという海外での報告があります。しかし、お子さんが既にアレルギー体質をわかっている場合は新たにペットを飼い始めると悪化の危険がありますのでお控えください。
見るもの全てを口に入れてしまうような赤ちゃんの時期に、新たにペットを迎えいれるというのはお勧めできません。ペットも予防接種が完了しておらず、免疫が未熟だとより感染性は高まります。お子さんの衛生管理が自立して、アレルギー体質でないことを確認しましょう。
医師からのアドバイス
赤ちゃんとペットの両方の面倒なんてみられるのだろうかと不安になるお気持ちもあるかと思います。しかし、赤ちゃんが寝た後に、そっと寄り添ってきてくれるペットの存在が、あなたの癒しになると思いますよ。そして、お子様との生活がひと段落して、新たにペットを迎え入れたいという方にもご参考にしていただければと思います。
(監修:医師 あい先生)
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