お母さんの食生活が母乳の質に影響する?
赤ちゃんは生まれてからの約1年間、母乳からの栄養で目覚ましい成長をとげます。母乳は赤ちゃんにとって最良の栄養なのです。
一方で母乳には、お母さんが食べたものによって影響されやすい成分があります。脂肪酸組成やビタミンA、K、Eなどの脂溶性の成分、特に母乳の脂肪酸のなかでも赤ちゃんの脳や神経の発育に大切なドコサヘキサエン酸(DHA)の量は、DHAを豊富に含む魚介類の摂取量に影響を受けやすいとされています。
DHA摂取量が減少すると、胎児の発達に影響が
魚介類に多く含まれるDHAは、赤ちゃんの脳や目の網膜などの器官形成や機能発達に重要な役割を果たす成分です。もしも摂取量が減少すると、赤ちゃんの発育に影響する可能性があるほか、早産や低体重児出産のリスクが高くなるという報告もあります。
実際の摂取量は1日350㎎も不足している!
日本人の食事摂取基準2010年版(厚生労働省)では、DHAとEPA合わせて、1日当たり1,000mg以上摂取することが望ましいとされています。しかしお母さんが実際にどれだけ摂取しているかを調べると、平均650㎎で、350㎎が不足していることが分かりました。
食の欧米化が進み、日本人の魚介類摂取量は1997年ごろから急激に減っています。魚介類の摂取量と母乳に含まれるDHAの量を調べると、1989年と2008年の比較では、魚介摂取量が20%減り、母乳のDHA含量も20%以上減っていることが分かりました。
出典:雪印ビーンスターク母乳研究通信
バランスの良い食事を心がけ、サプリメントを上手にとり入れて母乳中のDHA量を増やそう
DHAを多く含む魚介類の摂取頻度が週に1回以下のお母さんに比べて、週3回以上摂取するお母さんの母乳に含まれるDHA量は倍以上も多いことが分かっています。1日当たりのDHAの不足分350㎎を食品に例えると、マアジ1匹分、または鮭一切れ分になります。できるだけ毎日の食事にこれらをプラスするように心がけましょう。
もし食事からとるのが難しい場合はサプリメントを活用して上手にDHAを摂取しましょう。
■ 関連記事 ■
≫ 妊娠中、授乳中のママの食事、栄養は足りている?
オススメ記事
≪母乳は赤ちゃんをアレルギーから守ってくれる?!≫
≪乳酸菌はママを強くし、赤ちゃんも守る!?≫
≪初乳には赤ちゃんを守る免疫成分が3倍も?!≫
≪赤ちゃんのウンチでわかる母乳のチカラ≫
≪脳や神経の材料になる母乳中の必須脂肪酸って?≫