乳幼児湿疹の原因には、部屋の温度管理や体質・肌質、体に触れる衣類や入浴法などが挙げられますが、じつは母乳の状態もひとつの原因となる可能性があるのをご存知でしたか?今回はこの乳幼児湿疹と母乳の関係について、医師に伺いました。
乳幼児湿疹は、母子ともにつらい症状
赤ちゃんが生まれてお母さんが戸惑うこと、心配することは数えきれないほど多くありますが、そのうちかなり多くのお母さんを悩ませているのが赤ちゃんの皮膚トラブルではないでしょうか。特に、生まれて間もなくほとんどの赤ちゃんに見られる乳児湿疹は、赤ちゃんのすべすべした柔らかい肌に痛々しい湿疹が広がり、かゆさなどの不快感で夜泣きや日中の不機嫌の原因になることも多い、非常に深刻な問題です。ただでさえ数時間おきに起きてしまうこの時期の赤ちゃんがぐっすり眠れなければ、お母さんの睡眠時間もますます削られてしまい、とてもつらい状況に…。
湿疹の原因は、なんと母乳
この乳幼児湿疹、原因をひとつに絞ることはできませんが、母乳と関連しているのではないかといわれています。そしてさらに掘り下げていくと、お母さんが普段食べている食事の栄養状況とも関係しているのです。
母乳の栄養価は高い!しかし…
皆さんご存知の通り、母乳は赤ちゃんにとって成分的には最高の栄養といわれています。ミルクももちろん、非常に良くなっており、母乳と遜色なくなってきてはいますが、特に初乳に含まれる免疫物質は赤ちゃんの健康を保つうえで大変好ましいといわれているのです。 ただ、母乳はお母さんの血液からできているため、お母さんの健康状態や栄養状態に、質がある程度左右されるのもまた事実です。このことから多くのお母さんは、授乳中はお薬の服用やカフェインなどを控えますよね。
母乳にはお母さんの食事内容が影響している!?
いっぽう、食事が母乳の内容にどの程度影響するかに関しては諸説あり、例えば栄養状態の良くない飢餓状態に近いお母さんと、栄養を十分に取っているお母さんでもあまり母乳の内容に差がなかったという研究もあるようですが、甘いものや油ものを控え、和食中心の食生活にしたら赤ちゃんの乳児湿疹が改善した、というのも時々聞かれる経験談であり、ただでさえ体力的、精神的にストレスが溜まりやすい赤ちゃんのいる生活に、ストイックな制限は必要ないと思いますが、やはり多少、「母乳のための食生活」ということを心がける必要はありそうです。
糖質・脂質・たんぱく質はほどほどに
例えば、油っこいもの、極端に甘いものを食べすぎると、母乳に糖分や脂肪分が多くなり、赤ちゃんの皮膚トラブルのひとつの原因になる可能性があります。また、乳製品や豆類などの取りすぎも、たんぱく質が多い母乳を作り、まだ消化機能が不十分な赤ちゃんはそれが体調不良や発疹の原因のひとつのなることもあり得ると考えられています。
医師からのアドバイス
理想的には、やはり野菜や果物などをバランスよく取り、極端に甘いものや脂肪分、高カロリーな食事などは産後の体調管理、赤ちゃん健康管理のためにも避ける、ということになるでしょうね。
(監修:Doctors Me 医師)
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