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子どもが癒合歯と診断され悩んでいます

インタビュー 子育て・教育

子どもが癒合歯と診断され悩んでいます

2017Webコラム

2017.10.2

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子どもが癒合歯と診断され悩んでいます


2017/10/2 斎藤 敏昭 先生(大名矯正歯科クリニック)




 



癒合歯とは?その問題点は


癒合歯(ゆごうし)とは耳慣れない言葉ですが、小児歯科の世界では決して珍しい事例ではありません。出現率は4%という報告もあり、つまり1クラス40人のうち1~2人は癒合歯の子どもがいる計算です。歯肉の中で歯の卵である「歯胚」が成長して乳歯になるのですが、その歯胚のときに原因不明で隣同士の歯がくっつき、そのまま生えてくる状態が癒合歯です。癒合歯を見つけたとしても大きな問題はありませんが、あえて言うなら歯の見た目に少し違和感があるかもしれません。咀嚼にもほとんど影響はなく、歯磨きをしっかりしていれば虫歯になりやすいわけでもありません。

癒合歯で一番考えるべきは次の歯、つまり乳歯が抜けた後に生えてくる永久歯が欠損している場合があるということです。2本生えるべき所に1本だけという方が半数近くの確率でおられるのが特徴です。


なぜ癒合歯になるのか


その昔、縄文時代の頃の私たちは硬いものを食べ、顎が発達していたこともあり「親知らず」を含めて32本の永久歯がしっかりはえて機能していたそうです。しかし火を使い始め、食べ物が変わっていくにつれ、顎がどんどん小さくなり乱ぐい歯になってきました。このように歯は生活習慣によってどんどん変化していきます。本来の歯が揃ったままなら現代人の顎におさまりきらないでしょう。そこで親知らずは生えて来にくくなり、欠損歯の子どもが増えてきたのではという説もあります。つまり歯が癒合したり、欠損することは進化の一つであるという考えもあります。ちなみに、癒合歯になりやすいのは下顎の前歯が多いと言われています。


癒合歯を見つけたら何をしたらいい?


乳歯の時にはあまり気に病むことはありません。5~6歳の生え変わりの時期がポイントです。ただ、顎が小さくなってきている原因と考えられる食物の軟性化は時代の流れでどうしようもないことです。そこで、少しでも固いものを噛む習慣をつけることが大切だと思います。小さいころから食物をよく噛み、固い食物もバランスよく食べる習慣をつけることが必要です。その上で、歯の生え変わりの時期には、虫歯の予防と一緒に咬み合わせのチェックも習慣づけてください。小学校にあがったらレントゲンをとり、次の歯の様子を確認しましょう。この時に、乳歯を抜く、そのまま様子を見るなど専門家が判断します。もし癒合歯のあとが欠損歯の可能性であれば、その後矯正をしたり、差し歯をするなどの方法があります。

実は私も下顎の歯が2本少ないんです。けれど綺麗に収まって見た目に違和感がないところをみると、私はこのほうがいいと進化したのでしょう(笑)。私は「癒合歯は個性」だと思っています。背が高い低い、天然パーマである、二重瞼である。それと同じ個性に過ぎません。癒合歯だから永久歯が欠損するかも…と思い悩まず、その子の個性であり必要な進化である、とおおらかに受け止め、生え変わりの時期はなるべくしっかりと様子を見守ってください。




斎藤先生より まとめ


お子様の癒合歯について大変お悩みの方も多いそうですが、妊婦時代の過ごし方のせいなどで癒合歯になるわけではなく、原因は不明です。日本人の半数は乱ぐい歯といって歯がガタガタで、その場合、健康な歯を何本か抜いて矯正することもよくあります。もし癒合歯のあとに永久歯が生えてこなかったとしてもそれを生かして歯並びを治せることもあり、前向きな気持ちも大切です。まずは5~6歳、つぎは小学校6年生くらいが歯並びのチェック時期。親子でお気軽にクリニックに相談してください。



 


 


 



お話を伺った先生のご紹介





斎藤 敏昭 先生 (大名矯正歯科クリニック)


九州歯科大卒。歯学博士。日本大学歯学部矯正学教室、神奈川歯科大学歯科矯正学教室を経て福岡歯科大学講師。福岡市矯正歯科専門医院副医院長から2008年に大名矯正歯科クリニックをオープン。「笑顔は、その人だけではなく周りの人を幸せにする」をモットーに最新・最良の矯正治療を提供。


 



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