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不育症について

専門医Q&A 女性の健康

不育症について

「一人目は違うクリニックで経過から頸管無力症と言われましたが、その医師は12週ではあり得ないと言われました。双角子宮だと12週でも無力症はあり得るのでしょうか。」

2013.10.9

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ごんよさん(31歳)


一年に2回続けて流産しました。
12週、11週です。双角子宮です。
検査の結果、採血は全く問題無しでした。
双角子宮くらいしか原因が思い当たらないのですが、双角子宮でこの週数で繰り返す人は見たことないと言われました。
この週数で繰り返すのは珍しいことなのでしょうか?
双角子宮が原因とは考えにくいのでしょうか?
一人目は違うクリニックで経過から頸管無力症と言われましたが、その医師は12週ではあり得ないと言われました。双角子宮だと12週でも無力症はあり得るのでしょうか。
もう心も体もボロボロです。少しでも現状をちゃんとわかりたいです。お願いします。




お話を伺った先生のご紹介

宇津宮隆史 先生 (セント・ルカ産婦人科)


【経歴】
1949年 大分県豊後大野市大野町生まれ
1973年 熊本大学医学部卒業
1973年 九州大学温泉治療学研究所産婦人科入局
1981年 医学博士(九州大学)「排卵障害婦人に関する臨床内分泌学的研究」
1988年 九州大学生体防御医学研究所講師
1989年 大分県立病院がんセンター産婦人科部長
1992年 セント・ルカ産婦人科開設
1998年 セント・ルカ生殖医療研究所開設
2010年 成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業
「生殖補助医療により生まれた児の長期予後の検証と
生殖補助医療技術の標準化に関する研究」共同研究開始
2013年 第31回日本受精着床学会総会・学術講演会会長
【現在】
・ 日本受精着床学会常務理事
・ 日本生殖心理学会常務理事
・ 日本生殖再生医学会理事
・ NPO法人日本不妊予防協会理事
・ JISART(日本生殖補助医療標準化機関)監事
・ 大分市医師会監事
・ 遺伝性疾患に関する出生前診断研究会幹事
・ 日本産科婦人科学会倫理委員会内PGSに関する小委員会委員
・ Infertility Study Group世話人
・ 社会福祉法人 別府平和園理事長
【資格】
・ 日本産科婦人科学会産婦人科専門医
・ 日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医
・ 日本生殖医学会生殖医療専門医
・ 日本内視鏡外科学会技術認定医
【趣味】
登山
写真
スキューバダイビング
茶道裏千家
ルアーフィッシング


≫ セント・ルカ産婦人科




2回流産されたとのことですが、逆に言えば妊娠しやすいタイプと言えるでしょう。妊娠するという点においては、まず安心です。また、凝固系、甲状腺機能も良好です。ただ,双角子宮とのこと、これが問題でしょう。子宮は発生学的に説明すると、左右両方に発生し、それが近寄ってひとつになり、左右の子宮の境目の隔壁(中隔)が下から吸収されてゆき、その結果、子宮の内腔は逆3角形になります。その過程で中隔の吸収が途中まででとどまったのが「中隔子宮」といいます。双角子宮は左右の子宮の癒合が不完全で、骨盤内の検査(腹腔鏡、MRIなど)で左右の子宮の外見がはっきりわかり、あたかも角が両方に出ているように見えるものを言います。いずれにしろ、この中隔が不育症の原因となり得ます。子宮卵管造影を勧められているとのことですが、それは絶対に必要です。なぜなら子宮の中隔がどの程度子宮底から降りているかが流産の原因に関係するからです。子宮の内腔の1/3以上降りているなら中隔子宮と診断され、流産の原因となります。中隔は血流が悪く、着床を妨げ、また着床しても流産の原因となります。よって、ほかの原因が見つからなければこの中隔を切り取る手術が必要です。手術は子宮鏡的切除と開腹的切除があります。双角子宮では開腹し、両方の子宮を合わせる手術が必要です。
また、頸管無力症も子宮卵管造影で診断できます。しかし頸管無力症は妊娠14週以上まで発育して突然流産することが多く、ごんよさんの場合、11週、12週で流産したとのことですので、それが原因とは考えられません。いずれにせよ、それも子宮卵管造影でわかるはずです。
まず、子宮卵管造影を信頼の置けるクリニックで受け(中隔子宮は不育症の大きな原因のひとつです)、必要なら手術を受けるべきです。





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