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アスピリンの服用期間について

専門医Q&A 女性の健康

アスピリンの服用期間について

2018.2.8

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ELLEさん(43歳)

43歳、体外受精で初めての妊娠11週です。血液検査で抗リン脂質交代症候群でループスアンチコアグラントが引っかかり、ヘパリン注射とアスピリン81gを処方されていましたが、11週の検診ですべてストップしていいと言われました。しかし何もしなくて本当に大丈夫なのか不安になり、ドクターに伝えたところ、「希望するならアスピリン飲んでもいいよ。34週までなら大丈夫だから」とおっしゃいます。私としては、「どっちでもいいよ」と言われるとどっちがいいのかわからないので不安です。飲むのと中止するのとどちらがよいのでしょうか。


お話を伺った先生のご紹介

奥 裕嗣  先生 (レディースクリニック北浜)


私共は患者様一人ひとりとの出逢いを大切に、
徹底したインフォームド・コンセントを理想に掲げ、
スタッフ一同、すべての患者様に赤ちゃんのご縁がありますよう
切に願いながら、日々生殖医療に全力で取り組んでおります。

当院では最先端の生殖医療技術をご利用いただくとともに、
永く愛されるオリジナルの漢方療法もお受けいただけます。
また患者様の心理的なご負担にたいして優しいサポートが
出来るように、心理カウンセリングを備えました。

多様化する患者様の生活条件に合わせて、便利で快適に、
高度で確かな不妊治療を安心して受けていただけるように、ここ
「ザ・北浜プラザ」の医療モールにて開院することとなりました。
どうぞお気軽に、ご安心なさって、まずは扉をたたいてみてください。

■略歴
1987年
愛知医科大学卒業
愛知医科大学産婦人科学教室入局

1988年
愛知医科大学大学院入学
女性ホルモンの動脈硬化抑制についての研究を行う。
(更年期障害の基礎的研究)

1992年
同大学院卒業
エラジン酸の抗酸化作用

(アンチエージング作用)の研究にて博士号修得

総合大雄会病院勤務

1995年
蒲郡市民病院勤務

1998年
アメリカ合衆国に留学
Diamond Institute for Infertility and

Menopauseにて、体外受精、顕微授精等

最先端の生殖医療技術を3年間研修

2001年
IVF大阪クリニック勤務

2004年
IVFなんばクリニック勤務
2005年より副院長として勤務

2010年
レディースクリニック北浜開設



≫ レディースクリニック北浜

 抗リン脂質抗体症候群は、おもに血栓症や不育症を引き起こす自己免疫疾患で、不育症検査の一つである着床不全検査でわかります。原因についてははっきりとわかっていませんが、遺伝や環境因子など複数の要因が重なり合っていると考えられています。
 抗リン脂質抗体は、ループスアンチコアグラントや抗カルジオリピン抗体(IgG・IgM)など複数の抗体からなり、これらの物質が増えることで血液の循環が悪くなったり、血管が詰まって血栓ができやすくなります。そのため、妊娠後の流産・死産や妊娠高血圧症、胎盤早期剥離などのリスクが高くなるとされています。


 抗リン脂質抗体症候群の治療には、血液の循環を良くし、血栓をつくりにくくする、低用量のアスピリンやヘパリンを用います。投与期間については、一般的にアスピリンは28週までとされています。また、ヘパリンは最低でも36週投与します。半減期(お薬が作用する時間の目安)が12時間とされているため、当院では分娩の前日まですすめています。また、アスピリンとヘパリンは、それぞれ単独で使うよりも両方併用するほうが、正常な赤ちゃんを出産できる確率が高いといわれています。併用する場合は28週まで投与します。


 不育症検査(着床不全検査)では、抗リン脂質抗体症候群のほかに、プロテインS欠乏症が10〜20%の確率で見つかることがあります。そのような場合、妊娠中期以降の胎児死亡のリスクが高くなり、アスピリン+ヘパリンの併用を長期間おこなうことが有効とされています。ただ、ヘパリンの投与期間については、先生によって意見がわかれるところですので、最終的な判断は産科の先生におまかせしています。アスピリンは28週まで服用しても問題ないでしょう。


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