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漢方と鍼灸はどちらが効果的 なのでしょうか?

専門医Q&A 漢方・鍼灸

漢方と鍼灸はどちらが効果的 なのでしょうか?

2013.12.19

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JINEKO事務局さん(13歳)

アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。

【ゆうさん(34歳)】
私の症状から漢方と鍼灸はどちらが効果的なのでしょうか?

主な症状
・レバー状の塊や、粘膜のような塊が混じっている
・月経前はイライラしやすく、怒りっぽい。落ち込みやすい。
・月経前は過食気味or 食欲不振, 月経前は普段の便秘がさらに強くなる
・子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒着などがある
・卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい
・水分をあまり欲しない
・寝不足の日が多い


お話を伺った先生のご紹介

古村滋子 先生 (漢方の健伸堂薬局)


今日の高度生殖医療の進歩はめざましく、今や「卵の核移植」まで進み、今後いかなる状況になるのかは未知の世界です。

その影で、高度生殖医療を受けながらも希望が叶えられず不安と焦りと苛立たしさを抱え、「もう漢方しかない」「最後に漢方でも」との思いを込めて漢方薬に一筋の光を求める方が多くおられます。

「漢方薬とはどういうものなのか?」「周期調節法とはどのようなものなのか?」「興味はあるが聞く機会がない!」との声を受け、当特集では、漢方薬を使った周期調節法をわかりやすくご紹介していきます。

鍼灸も含めた漢方を自分のライフワークと決めて40年。小さなミクロの世界から1つの生命体に進化して、この世に生まれてくる生命。その神秘の世界に感動しつつ、「新しい生命の誕生」に感涙する家族の姿に心打たれ、この仕事に携われる喜びを感じています。

赤ちゃんを授かりたいと願う方たちを応援する「命を繋ぐ」仕事を、皆様とともに築いていきたいと思います。



≫ 漢方の健伸堂薬局

ゆうさんのように、漢方と鍼灸のどちらが良いかという質問をよく受けます。
どちらか一方の治療法でも体質改善は期待できますが、漢方に鍼灸を組み合わせる「鍼薬配伍」は相乗効果によって、より早い体質改善が期待できます。

ゆうさんの体質を拝見しますと、レバー状や粘膜様の塊がでる、子宮筋腫・内膜症を持っているということから、血液循環の悪い「瘀血」体質が考えられます。
「瘀血」体質とは、血液の流れがうまくいかずドロドロの血液になる状態のことです。
子宮内・卵巣内の血液循環が悪くなると、卵管も癒着しやすくなりますし、子宮内膜もフカフカの厚い状態ではなくなります。卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい原因のひとつに、「瘀血」体質は密接に関係していると思われます。
フカフカで厚く着床しやすい子宮内膜を作るためには、血液循環を良くするような漢方の「活血薬」に「血海(けっかい)」「三陰交(さんいんこう)」など、活血作用のあるツボを刺激することで、内と外から気血のめぐりを調和することができます。

また、月経前にイライラしやすく怒りっぽい、落ち込みやすいなど、月経前のPMSがあることから「肝鬱」の体質もうかがえます。
「肝鬱」体質は気のめぐりをとどこおらせます。
気のめぐりが悪くなると便秘にもなりますし、血のめぐりも阻害しますので「瘀血」体質を引きおこすことにもなります。
このような方はストレスを改善する「疏肝薬(そかんやく)」と同時に「太衝(たいしょう)」「肝兪(かんゆ)」などの疏肝作用のあるツボを刺激することで、早めの体質改善が期待できます。
治療には体の内から治す「内治」と、外から治す「外治」があります。内治である漢方薬は、薬を内服することで五臓六腑の気血調和をします。
そして外治である鍼灸は、体表のツボを刺激することで気血調和をします。
それぞれの周期に合わせた漢方薬に鍼灸を組み合わせ、その方に合った治療を提案するのが周期調節法です。
つまり漢方薬に鍼灸を組み合わせた「鍼薬配伍」は、ある意味理想の治療法だと言えます。また生活習慣も重視します。
寝不足は体調不良をおこすだけでなく、卵子の質にも影響しますので、少なくとも日付の変わる前までには布団に入って下さいね。

回答 古村恵利子(薬剤師・鍼灸師)


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