【Q&A】妊娠して元気に産みたい-浅田先生
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【Q&A】妊娠して元気に産みたい-浅田先生
10年前に子宮頸がん異形成で円錐切除をしています。早産や中期での破水の原因になりますか?浅田レディースクリニックの浅田先生にお答えいただきました。
相談者:子ども大好きさん(39歳)
結婚して5年子どもができず、不妊治療をして1人目を授かりました。
33週で出血し、病院にて子宮口が開き赤ちゃんが見えているとのことで、緊急入院。そこで高血圧腎症になり、入院した日に促進剤を使い普通分娩で1600グラムの赤ちゃんを出産。経過は良好で元気です。
2人目が欲しく、タイミングも頑張っていたのですが、年齢のこともあり、2度目の体外受精をし、何度かトライして2人目を授かったのですが、20週5日に膣の入り口あたりの違和感で通院。エコーのみの診察で、元気に育ってると言われた5分後に破水し、そのまま入院。大きな病院に転院もしてもらえず、数日間は何もなく、心拍も胎動もあるのに、最後は促進剤で産むことになり、死産しました。
なぜ、中期になって破水したのか、初期の流産は染色体異常と言われてますが、初期でもないし、感染症の兆候もなく熱も出ていませんでした。破水は他に原因があるのでしょうか。病院で破水前に内診で気づいてもらうことはできたのでしょうか。10年前に異形成で円錐切除しているのですが、それが原因でしょうか。早産にはなりやすいと聞いていたので、気をつけて仕事もしていたつもりですが、仕事が保育士というのがダメだったのか、何をしたらよかったのか、悔やむばかりです。私は元気に子どもを産んであげることができないのでしょうか。
もし、次に授かることができるなら、授かりたいですし、もうこんな思いはしたくないので、できることはすべてしたいと思っています。今は体を温めるための、美ワカインとサメミロンを飲んでいます。エレビットとヘム鉄、ビタミンDも飲んでいます。最近は特に早く寝るように心がけています。仕事も辞めようかとも思っています。
誰にも相談できずで、どうかアドバイス、回答をお願いいたします。
浅田先生からの回答
妊娠性の高血圧症は、昔は妊娠中毒症と言われていましたが、それで早産になることはあります。
原因は、主に胎盤形成不全ですが、様々なケースがあります。
2人目のお子様が20週と5日で破水されたとのことですが、妊娠経過でいえば一番の安定期に入った時期になりますので、子ども大好きさんのような症状が起こる可能性は低いですが、熱もなく、炎症がじわじわと続いて、このような症状が起こることもあります。また、炎症があると卵膜が弱くなって破れやすいとも言われていますので、そのようなことが起こったのかもしれません。
サプリメント等、色々服用されているようですが、それで解決するような事象でもありません。
円錐切除をされていると、早産になりやすいことはあります。病名をつけるのであれば、“子宮頸管無力症”ということになり、円錐切除等の手術や処置を受けて、子宮頚管の組織が弱くなったことをいいます。
子ども大好きさんの場合は、円錐切除後ということが大きな原因だと思われます。現在、子宮頚部がどれだけ残っているかは分かりませんが、ある程度残っていれば早産のリスクを低下させるため、太い糸等で縛っておく子宮頸管縫縮術という方法もあります。炎症が原因だとしたら、早い時期から子宮頸管あたりを定期的に消毒するという方法も、考慮してよいと思います。
また、安静にしていれば早産を管理することもできますので、早めの入院、安静ということも、今後考えられるかもしれません。
そのようなことに対応できる病院に、妊娠初期から受診することが必要ではないでしょうか。
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