今回は匿名で話させてください、すみません。

私は、約２年近く心療内科へ通っています。なので、２年前からさかのぼります。
初めは身体の病気が原因で、あまりの痛さに精神的に不安になってしまいました。２年前の私は、本当に心も身体も初めてどん底に落ちたのを身をもって感じました。２４時間の頭痛、吐き気、肩こり、全身の痛み、初めて死にたくないと思いました。食欲はあるのに、１ヶ月で１０キロ体重が落ちたときは、死んでしまう、と思いました。私の中では、どうして良くならないの？早く治さなきゃ、皆に迷惑をかけるばかり、それだけが頭でぐるぐる回っていました。そういう焦りが、病気の回復を妨げていたのに気づいたのは、随分後ですが・・・。

毎日体は痛くて、その恐怖で心は不安だらけで。ひたすら我慢することしか出来なかったんです。私、あんまり弱音を吐けない性格で。毎日痛い痛い言っても、心配させるだけだし、痛い痛い言っても、期間が長くなるにつれて嘘っぽく聞こえてしまうんですね。その頃私は不安ばかり感じていて、もうどうしようもないほど、誰かに支えてもらいたかったんです。私の状態を見て、家族や周りの人たちは多分支えてはくれていましたが、やっぱり周りの人たちも不安だったんです。だから、私への接し方が分からなかったんだと思います。不安がる周りに、余計私の不安も募っていくばかりでした。

これは当時のわがままな意見ですが・・・、周りの人は、「大丈夫？」・「具合はどう？」・「心配してるよ」・「早く治るといいね」等・・。心配してくれるのはものすごくありがたいことで、嬉しかったのですが、心配してくれる周りの心とはウラハラに、その言葉たちは私を焦らせるものでした・・・。
私は、心配の言葉より、ただ一言、誰でもいい、嘘でもいいから、安心させて
くれる言葉が欲しかったんです。「大丈夫？」ではなく、「大丈夫だよ。」の一言が欲しかった・・・。それを言ってくれたのは、心療内科の先生でした。しかも、通い始めた最初の日。もう精神的に自分では耐えられなくなり、ボロボロな私がその先生に大泣きしながら、初めて誰かに対して助けを求めたんです。先生とは初めから相性が良かったかもしれません。大泣きしながら話す私をただじっと聞いてくれて、話が終わった時、先生が言ってくれたんです。心療内科医というのももちろんありますが、私にはそんな事関係ありませんでした。「辛かったんだね。もう大丈夫だから。ゆっくり治そう。」と、私が一番欲しかった言葉、でも誰にもそれを言えなくて、でも、言ってくれる人がここにいた・・・。それに感動してというか、もうそれだけで救われたようなもんでした。

それから約２年、月１で通ってます。時間はかかってるけど考えられないほど、良くなりました。精神的にも、すごく前向きになれてます。他の病気が見つかったときの事、すべて何でも相談でき、心配してくれ、励ましてくれた事、先生がいなかったら今の私はいなくて・・・何かあったら、先生に相談しようってくらい、心の支えになってた先生。昨日、次回の予約日を私が言い出したとき、「今年で、ここ（今の病院）辞めるのね。」と。え！？って感じでした。ここは関東で、行くのは「白い恋人」で有名な一番北の寒い県。先生の故郷です。先生の先輩（もちろん心療内科医）が、ただでさえその県では心療内科医が少ないのに、病気をしてしまい、診察できなくなったため、先生に頼んだそうです。先生は、「転勤じゃないんだ。ここを辞めて行くんだ」つまり、もう戻っては来ないとの意味でした。昨日の先生は、何かいつもと違うな、と感じてました。やけに長く話しをしてて。それを言い出すのが辛かったんだと思います。私の次の先生への引継ぎも心配してくれて、私が素直に感じた気持ちは、悲しいんじゃなくて、寂しいって感じました。でもまだ２回診てもらえるし、今日が最後じゃなくて良かったって思いました。この時点では私は泣いてません（笑）。

もう処方箋も書いてもらって、そろそろ診察終わりの時、ふと先生がカルテ見返しながら、「〇〇さんもここ長いよねー」って言ったんです。え！？まだ２年経ってないけど、それでも長いのかな！？とは思いつつ、「はい、もうすぐ２年ですー。」って言ったら、「アレ？まだ２年？なんか〇〇さんとは、もっと前から話してきた感じがするから・・・そっか、まだ２年か・・・。」そこで私の涙腺ぶっ壊れました。長い間知ってる感じがする、って言われて。
ここの心療内科ではは、医師３人で５００人もの患者をみてるんです。先生が教えてくれました。しかも先生は一番上の先生なので、新規の患者さんも先生が診るし、一人ですごい数を診てる訳で、私も最初は診察室に入っても、カルテを見てもあまり覚えてはもらえてませんでした。
そんな覚えてられないくらい沢山の患者を診てる先生に、そう言われて、ああ、良かった、私は先生の患者としてちゃんと覚えてもらってる、っていうのを感じて、泣いてしまいました。嬉しくて。私を救ってくれてきた先生がそう言ってくれたことが、今までの２年間が思い出されて、涙が止まらなくて、そんな私を見て微笑んでる先生がいて、「ここは大きい病院だから、患者が多すぎて、どうしても一人一人を診る時間が少なくなっちゃって・・本当はもっと時間をとりたかった、患者さんに申し訳ないと思うし、ごめんね。」って謝るんです。そんなことない、ここまで私が良くなったのも先生のおかげです、って泣きながら言ったら、何も言わず、うなずいてくれました。あとはもう、まだ２回あるし、今日が最後じゃなくて良かった、ありがとうございましたって（言葉になってないけど）、出てきました。

会計を待ってる間、ふと思ってしまいました。来年ここに来ても、先生はもういないんだと・・・。先生が辞めるという話を聞いて、具合悪くしてしまう患者さんもいるくらいです。私は２年だけど、１０年通ってる患者さんの気持ちはどうだろうと考えると、先生の存在がとてもかけがえのないことだとわかりました。悲しいんではなく、寂しいんです。確かに不安です。でも、私にとってはいい機会だと思えるようにしてます。先生のおかげで、ここまですごく良くなった、だからそんな先生を必要としているところがあるなら、先生に救われる人がもっと増えるなら・・・と思うと、不思議と優しい気持ちになれます。
でもやっぱり昨日は先生のことを思うたび泣いていました。そして書いてる今も泣いてます。ティッシュ片手に（笑）。

２０代前半の一番楽しいはずの時期、それが一番辛い時期になってしまった私を助けてくれた先生を、一生忘れません。うちの父より２歳下の先生、年代の違うこんないい先生に出会えたこと、幸せです。

そこで皆さんのご意見頂きたいのですが・・・もう会えることはないとしても、せめて手紙で近況報告とかしたいんですが、勤務先、それとも住所きいてもおかしくないですか？手紙、迷惑かな・・って思ったりしちゃいます。これだけの患者さんを受け持ってて、多分私と同じ考えの人、沢山いると思うんです。それに、返事はもらえなくていいんです。むこうへ行っても、すごく忙しいというのは分かるし、返事書かなきゃ、っていう気持ちも持たせてしまう気がして・・・。でも聞く気満々ですが・・・。家族も、こんなに良くしてくれた、助けてくれた先生、手紙書きなさい、先生も嬉しいと思うよっていってくれてます。命の恩人というか、心の恩人なので、このまま途切れたくはないんです。勤務先だけなら、教えてくれるかな・・・？

長すぎーるこの話、読んで下さって本当にありがとうございました。目、疲れませんでしたでしょうか？今ふと思いつきました。先生が私をよく覚えてくれてたのは、もしかしたらよく先生の前で泣いてたからかな・・・？プラス、あんまり若い女の子が少なかったから、病気を何個も併発したから・・・かな？どっちにしても、嬉しいなぁ、ただ、それだけです。私の人生の中で、とっても大切な存在である人たちの中に先生も入ってます。そんな先生にあえて、心から感謝しています。

すみません、なんか独り言で。誰かに、聞いて欲しかったんです。