赤ちゃんは肌が弱いので少しの刺激でもトラブルを起こしがち。適切な治療で悪化を防ぐことが大切ですが、ステロイド剤の使用に不安を感じているママに対して、看護師さんたちはどのようなアドバイスをしているでしょうか。
ママからの相談:「ステロイド剤の使用に不安があります」
生後10カ月の乳児健診でアトピーと診断されました。一番弱いステロイド剤が処方され「たっぷり塗って一気に治した後、少しずつ量を減らしていってください」と指示を受けました。一旦はきれいになりましたが、定期的に塗らないとすぐ肌がガサガサになり、いつもポリポリかいています。以前より薬の効きが悪くなった気もします。ステロイド剤はあまり身体によくないと聞くので早くやめたいのですが、このまま塗り続けてよいものでしょうか。(20代・女性)
ステロイドを用いた治療について
ステロイドの使用を不安に思うお母さんは多いですが、薬を塗ることで体内に不足しているものを補充している、という考え方ができるようです。適切なステロイド治療を受けていても、治るまでの期間やペースは人それぞれ。状況が変わらないようなら、セカンドオピニオンも考えましょう。
ステロイドに対して悪い印象が強く、使用に不安を抱えるお母さんはたくさんいます。ステロイドはもともと体内にあるホルモンです。薬は自己のステロイドホルモンでは対応できないときの補充と考えてください。(産科看護師)
ステロイドをたっぷり塗り少しずつ減らしていく治療法は、ステロイド療法の一般的な方法です。アトピー性皮膚炎が治るのには、3カ月程度から数年と人それぞれ。皮膚がきれいになっても、しばらくは症状がぶり返すことも珍しくありません。また、ステロイドに体が慣れることはあっても、効果がなくなることはないそうです。医師の指示に従い、充分な期間の治療を受けて今の状態なら、セカンドオピニオンを考えてみてもよいでしょう。(看護師)
アトピー肌のケアとステロイド剤の塗り方
汗をかいたり肌が汚れたら、こまめに拭いてあげたり、沐浴で優しく洗うなどして、肌の清潔を心がけましょう。ステロイド剤は、肌が清潔なときに症状のある部分だけ塗るのがポイントです。保湿剤の使用は医師に相談を。
アトピーは成長とともによくなることが多いですが、少しでも悪化させないために、できるだけ肌の清潔を心がけてください。汗をかいたらこまめに拭きとり、肌着は交換しましょう。特に顔は、涙や汗、よだれで汚れやすいので、濡れたガーゼで優しく拭きとります。沐浴の際は、低刺激の石鹸をよく泡立ててから、泡で包むように優しく洗ってください。症状がひどい場合は、お湯で流すだけでも構いません。部屋や布団も清潔を心がけましょう。(産科看護師)
ステロイド剤を使用するときは、身体を拭いた後や、お風呂上がりの肌が清潔なときに、綿棒などで症状のある部分にだけ薄く塗るようにしてください。重ね塗りは症状を悪化させる場合があります。ワセリンなどの保湿剤を使ってアトピーを治したお母さんもいるので、医師に相談してみてください。(産科看護師)
ステロイドは体内から出るホルモンの不足を補うもの。ステロイド療法によるアトピーの治癒には個人差がありますが、医師の指示通り適切に使用しても状態が変わらないなら、セカンドオピニオンを一考しても。悪化を防ぐため、肌の清潔を保つことは大切だそうです。
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