精子の前進運動率35%で自然妊娠できる?
専門医Q&A 不妊治療
精子の前進運動率35%で自然妊娠できる?
2017/5/12 石川 聖子先生(銀座レディースクリニック院長)
相談者:かっちさん(25歳)
精液検査2回の結果で、前進運動率35%・40%といわれました。これで自然妊娠は可能ですか? 思い切って人工授精に進みたいのですが、旦那が「まだ早いんじゃない?」といってきて……。このまま歳をとって、妊娠率が下がってしまうのは怖いです。
精子の前進運動率の基準はどれくらいですか?
精子の所見はどのような検査法で調べたかによって数値が変わることがあります。そのため、はっきりとしたことはいえませんが、単なる運動率と考えた場合、WHOの精液基準値だと運動率40%以上となっているので、前進運動率が35~40%なら問題ないと思われます。
精子の状態をみるとき、ほかにどのような判断基準がありますか?
精子の状態は、運動率だけでなく、ほかの要素−−たとえば濃度や数、正常形態率などもみて正常かどうか判断します。これらにも異常が認められなければ、自然妊娠は可能なのではないでしょうか。
女性が25歳の場合、排卵日に性交渉をもったら、半年で妊娠が成立する確率は6~7割です。
早めに人工授精に進むべきか悩んでいます
次の治療ステップをお考えのようですが、一般的な人工授精の適応は
「精液検査の結果がWHOの基準値を満たさない」
「タイミングをとってもまったく妊娠しない」
「性交後試験の結果が不良」
などです。
4~6周期タイミング法を続け、それでも妊娠に至らなかったら、性交後検査を受けてみましょう。その結果が出てから人工授精を考えても遅くないのではないでしょうか。
タイミング法では妊娠しづらい原因が検査結果として出れば、ご主人もステップアップに納得されると思います。