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タイムロスやストレスの少ないスムーズな治療

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タイムロスやストレスの少ないスムーズな治療

2011.9.1

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自己注射の選択がかなえる!
患者さんとクリニック 双方にメリット
タイムロスやストレスの少ないスムーズな治療


「自己注射は、患者さんにもクリニックにもメリットのある選択」と語るのは、母と子 かばクリニックの松浦俊樹先生。双方の時間ロスや手間、治療ストレスの軽減につながるそうです。実際の先生の実感と、患者さんから聞かれる詳しいお話を伺いました。


 


母と子 かばクリニック院長
不妊治療センター長
松浦 俊樹 先生


浜松医科大学医学部卒業。豊橋市民病院に勤務。その後、浜松医科大学院医学研究科、アメリカのベイラー医科大学で学ぶ。東京・新宿の加藤レディ スクリニック、浜松医療センター新生児科、浜松医科大学付属病院などでの勤務を経て、2008 年、母と子 かばクリニック不妊治療センター長に就任、2 年後に同院院長に就任。明るく笑顔を心掛け、患者さんとフレンドリーに接することがモットー。

 


仕事など患者さんの事情を考慮して自己注射を導入


不妊治療をしている人にとって、身体や生活面において負担になりがちな注射。少しでも楽な形で患者さんに治療を受けてもらおうと、最近では自己注射を導入するクリニックが増えてきました。
静岡県にある「母と子 かばクリニック」もそんな施設の一つ。院長の松浦俊樹先生に、導入したきっかけを伺いました。


「当院では2年ほど前から、ペン型自己注射器による自己注射を患者さんにおすすめするようになりました。
当院の患者さんのほとんどが共働きの方なんです。特に1人目不妊の場合は、仕事をしながら病院に通われている方が9割以上いらっしゃるんですね。そうなると、注射を打つためだけに仕事を切り上げてクリニックに来なければなりません。また、2人目、3人目の妊娠を望まれている方は、1人目のお子さんがまだ小さいことが多いのです。保育園や幼稚園の送り迎えなどもありますし、子育てに追われて、頻繁に通院する時間がとれませんよね。ですから、そのような患者さんの事情を考慮して、自己注射を導入しようと思ったんです」


 


時間のロスを減らすことが患者さんのメリットに また自己注射という方法は、松浦先生の診療理念とも合致すると言います。



「私は不妊治療について、できることは自分で。クリニックに来る回数を1回でも減らすためにはどうするか"ということを一番に考えています。なかには、看護師が手を握りながら注射を打つことが患者さんの安心感を高めると考え、自己注射は導入しないという施設もあるかもしれません。しかし私は、たびたびクリニックに来ることが時間のロスになってしまうなら、自己注射という便利な手段を用いてそれを少しでも解消して時間を有効に使っていただいたほうが、患者さんにとってメリットが大きいのではないかと考えているんです」




同院では、自己注射の使い方を説明したDVDとパンフレットを事前に患者さんにお渡しし、それをじっくり見ていただいたうえで、自己注射を選択するかどうか、患者さん自身に決めてもらっているそうです。



「10人中9人の方は、自己注射の使用を希望されますね。DVDもとてもわかりやすく作られていますから、1~2回見ると抵抗感がなくなって、"やってみようかな"と思われるようです」
自己注射を選択して実際に使い始めてからも、皆さんトラブルなく使用できて、「やっぱりダメでした」とギブアップされる患者さんは1人もいないとか。



「初回の注射は、必ずクリニックで、看護師の指導のもとで打っていただきます。ダイヤルの合わせ方や打ち方などを詳しく説明するので、ご自宅でもその通りに行えばミスをすることはありません。患者さんからも"思っていたより簡単に打てる"という声が多いですね。
それになにより、クリニックで打つより痛みが少ないことが、続けられる大きな理由のようです。通常の筋肉注射と自己注射を私自身試してみましたが、私自身は自己注射のほうがはるかに痛みの感じ方は少なかったです。自己注射の針はクリニックで使う注射の針より細く、薬の成分が濃いので注射液の量が少なくて済みます。そのため、体への負担をかなり軽減することができるんですね」

"
簡単で痛みも少ない"というのは患者さんにとって大きな利点。では、肝心な効果についてはどうなのでしょうか。



「自分で打つと注射の効果が薄れてしまうのではないか、と思われている方もいらっしゃると思いますが、その点についてはまったく心配ありません。当院ではクリニックで打った場合と自己注射、それぞれ200例近く、採卵数や妊娠率のデータを比較したのですが、違いはありませんでした。使い方さえきちんと守っていただければ、病院での注射と同等の効果が得られます」


 



カートリッジ型で薬剤の準備も簡単入


ペン型自己注射器の針は、病院で打つ注射の針と比べて細いので、皮膚に刺しても痛みが少ない。DVD でわかりやすく手順を紹介しているほか、イラスト付きの説明書もあるので安心。誰でも失敗なく打つことができる。働いている人は夜など、一定の時間を決めてきちんと実行すれば、病院での注射と同様の効果が得られる。





こうしてお話を伺っていくと自己注射は患者さんにとって望ましい方法ですが、クリニック側にとっても、導入して意義のあるものだそうです。



 「クリニックでは筋肉注射ですから、打った部分が硬くなったり、腫れてしまう場合もありますし、注射だけの来院といっても、診察が必要となります。そうすると、どうしてもご本人や他の患者さんの待ち時間が増えてしまいますよね。自己注射の場合も導入してからしばらくの間は、どんな感じか診させていただいたのですが、トラブルはほとんどなく、肩や腰が腫れてしまったという方は2年間で1人もいませんでした。これまでは、筋肉注射で痛みを訴える患者さんからの電話が夜中にも何件かありましたが、自己注射をしている患者さんからのSOSはほとんどありません。
診察に割く時間が減ったので、より効率的に診察を行うことができています」

スピーディーに診察が進み、医師が抱える心配も減るとのこと。



「もともと不妊治療というのは、元気な方に医療技術を提供して赤ちゃんを授けるもの。リスクやトラブルを少しでも減らせれば、医師も患者さんも治療に集中できる。それが早く結果をもたらすことにもつながるのではないでしょうか」
不妊治療のなかでも、注射は抵抗を感じる治療の一つ。痛い、つらいという思いを持ち続けていると、不妊治療そのものにも後ろ向きになってしまいがちです。



「愛するご主人のために、つらくても頑張っている方がたくさんいらっしゃると思うんです。痛みを口にせず耐えていたり、仕事が軌道に乗っていたのに注射のために会社を辞めたり、正社員だったのをパートに替えることになったり……。
 当院は自然周期による採卵を基本としているので、注射の数は1周期に4回程度と比較的少なめですが、それでも注射のためだけにひと月に4回来院するというのは大変なことです。それが自己注射で解消されるのは、患者さんの生活を考えれば、大きなことだと思います。なるべくクリニックに通う回数を減らす、日常のペースを崩さずに治療を受ける――。これは、前向きに不妊治療を続けていくうえで、大切なポイントになってくると思います」


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