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移植方法

専門医Q&A 女性の健康

移植方法

2012.3.26

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ざくろさん(30歳)

4回分割胚移植しています。

一度も陽性反応出ません。

卵菅も片側詰まっているので次は胚盤胞で移植してみたいと話しましたが、質・分割に問題があると思われるので分割胚のまま移植することを進められました。

また、卵菅は関係ないと。
卵菅閉塞の人は胚盤胞移植のほうが着床率があがると聞いたのですが…


早く妊娠したいです。


主治医の言う通り、分割胚のまま移植したほうがいいのでしょうか?
どうしても他の先生のご意見も伺いたく投稿させていただきました。


また、着床障害の疑いはないのか、放置してある水腫は問題ないのかも教えていただけたらうれしいです。


お話を伺った先生のご紹介

田中雄大 先生 (メディカルパーク湘南)


メディカルパーク湘南は、産婦人科専門病院です。 最先端の不妊治療、熟練の内視鏡技術、最新鋭の医療機器。全てにおいて妥協を許さず、粋を極めた理想を追求しました。構想から足掛け7年、長くかかってしまいましたが、私が予てから目指していた理想の産婦人科医療が漸く実現します。 「メディカルパーク」という言葉には、この病院が、患者様の様々な要望に応え、皆さんが集う公園のような場所になればという思いが込められています。医療は常に変革しています。そして患者様のニーズも多様化し続けています。私たちはこの湘南の地から、新しい医療を発信して参ります。そして多くの患者さんに1つでも多くの幸せを運べるように、職員一同、全力で邁進して参ります。

メディカルパーク湘南が皆様に愛される病院になることを願って止みません。末永く、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

【略歴】
1991年 慶應義塾志木高等学校卒業
1997年 慶應義塾大学医学部卒業
1997年 在沖縄アメリカ海軍病院インターン
1998年 慶應義塾大学医学部産婦人科学教室入局
2004年 慶應義塾大学医学部医学博士取得
2009年 聖マリアンナ医科大学非常勤講師就任
2011年 中国蘭州大学第2附属病院 名誉教授就任


【資格】
医学博士
日本産科婦人科学会       産婦人科専門医
日本産科婦人科内視鏡学会  技術認定医
日本外科内視鏡学会       技術認定医
母体保護指定医
日本生殖医学会         生殖医療専門医

【学会賞受賞】
2004年 第20回ヨーロッパ生殖医学学会
      最優秀ポスター賞受賞
2005年 第57回日本産科婦人科学会学術講演会
      グッドプレゼンテーション賞受賞
2007年 第49回日本産科婦人科内視鏡学会
      最優秀ビデオ賞受賞

【著作本】
「最新 不妊治療・体外受精がわかる本」
大規模なアンケート調査から多くの方が悩まれている症状や治療に対する疑問に
最新情報を交えてお答えしています。
セカンドオピニオンブックとして、お守りのように持っていただきたい1冊です。
( ジネコSHOPで発売中 http://bit.ly/1KtsKZo )
 




≫ メディカルパーク湘南

分割胚と胚盤胞を比較した場合、胚盤胞移植の方が妊娠率が高いです。
ただし、全ての受精卵が胚盤胞まで進んでくれる訳ではなく、胚盤胞到達率は一般的に40%前後と言われています。ざくろさんの場合、問題点を整理すると、1つはすでに4回も移植をしていて、妊娠していないこと、2つ目は卵管水腫の問題です。
初期胚を4回移植して、結果が出ていない訳ですから、やり方を変える意味でも、当然胚盤胞の段階での移植は当然選択肢になると思います。

2つ目ですが、着床しない原因には、卵管水種が関係していると考えるべきです。
卵管水種があると、体外受精の着床率が下がるというデータは国内外でこれまで何度も報告されています。
その理由として、卵管内で産生された液体が子宮内に逆流してしまい、折角移植した胚を押し流すことになるのであろうと考えられています。

すなわち、ざくろさんの場合、初期胚か胚盤胞かの問題よりもまず卵管水種をしっかり治療する必要があるのではないかと感じます。
この場合、最も有効なのは腹腔鏡手術です。
すでに1度手術をしているとのことですから、踏み切るには勇気がいる事でしょうが、腹腔鏡でもう一度しっかり腹腔内を観察して、着床の障害となっている卵管水種を切除する必要があると思います。
その際、同時に前回の手術で手をつけられなかった内膜症による癒着などがあれば、今後の再発率を下げるためにも徹底的に切除することも可能です。

当院では、ざくろさんのようなケースの場合、まず予め採卵を行い、良好胚盤胞の凍結を試みます。
複数個の胚盤胞凍結が出来た段階で腹腔鏡手術を行い、卵管水種の切除を行います。
そして、その後、凍結しておいた胚盤胞の移植に向けて準備を進めて行きます。ものすごく長い行程に思えるかも知れませんが、胚盤胞凍結さえできれば、意外とトントン拍子に進む場合が多いです。


まだ年齢はお若いので、妊娠の可能性は十分にあるかと思います。御健闘をお祈り申し上げます。


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