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プロゲストン注射後2回目の生理

専門医Q&A 女性の健康

プロゲストン注射後2回目の生理

2015.1.1

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つくねさん(31歳)

よろしくお願いいたします。
私は初潮から月経不順で20代半ばには無月経になりました。過去に不妊治療でクロミッドが効かず重度のPCOSと診断されています。
二年前にHMG注射での治療で妊娠出産しており、一年前の卒乳後から1、2ヶ月に一度プロゲストン注射で生理を起こしています。
プロゲストン注射後はいつも5日後に生理開始して一週間以内には終わります。
ところが、今回は12月8日に注射後、13日から15日にかけておりものに血が混じる程度で終わり、その後数日水のようなおりものがでました。
注射後から少し胸が痛みだしたのですが、21日頃からはズキズキとした痛みに変わり、30日に生理が始まりました。出血量はかなり多く1、2日目はナプキンが1時間と持ちませんでした。
こんなことは初めてで困惑しています。
8日に内診と血液検査もあり、内膜が9ミリ卵胞が2~3ミリのものしかなく、ホルモンはLH高めで他は正常値で排卵はしていないと思います。
何か他の病気になっているのでしょうか?


お話を伺った先生のご紹介

向田哲規 先生 (広島HARTクリニック)


院長 向田哲規

1960年6月25 広島県広島市中区生まれ
昭和35年生まれで修道高校卒業まで広島で育ち、太平洋の青い海にあこがれ高知医科大学に入学し、学業よりテニス部とヨット部の活動が中心であった健康的な学生生活を送り卒業の後、同医科大学産婦人科医局にて一般産婦人科のトレーニングを受けました。

不妊症治療に携わって得られる生き甲斐は、より良い治療法を習得しそれを難しい症例に用いて、赤ちゃん誕生という目標に到達する手助けができた瞬間であり、その経験が臨床医としての糧になっていると思います。
不妊症の原因および治療法は千差万別であるため最終的には御夫婦が納得した治療法にて組むべきであり、その為の説明を充分行うよう心がけておりますので、いつでも御相談ください。



≫ 広島HARTクリニック

つくねさんの場合、2年前に妊娠出産を経験されていますから深刻なPCOSではないとは思います。ただ今回、生理が来ないからといってプロゲストン注射をして生理を来させるだけにしておくというのは良くないと思います。生理は起こせばよいというものではなく、原因の検索と、どのような投薬等の治療で起こすか?が重要です。後者について例えばエストロゲンを服薬してその後、プロゲステロンと併用することで生理を起させるという、女性ホルモンの適切なサイクル通りの投薬で適切なタイミングで起こすことが重要です。

ホルモン剤を服薬し通常の生理と同じようなホルモンバランスにするのは、挙児を希望している方だけでなく、思春期以降、閉経するまで女性すべてに必要です。エストロゲンやプロゲステロン等の女性ホルモンは、周期的に分泌されることで、皮膚、肝臓、その他の臓器、血管全ての機能に影響を与えています。女性ホルモンはただ排卵し妊娠するためだけに必要なのではありません。女性の精神状態にも大きく関係しています。ですので彼女のようにプロゲストン注射だけをして生理を起させるのは得策ではないでしょう。

また、通常とは違う症状に今回なっているのは、つくねさん自身の不規則な排卵周期の女性ホルモンと投与を受けたプロゲストン注射が、過度に内膜を刺激した状態になったためではと思います。不規則な生理と無排卵の状態が続くのはPCOのためであり、今後妊娠を望む望まないに関わらず、生理が来ないからといってすぐ注射するのではなく、卵巣や子宮の状態を半年に一度くらいは超音波診断と採血による女性ホルモン値の測定を行い、対応または治療した方がいいと思います。このホルモンがアンバランスな状態を放置しておくと、男性ホルモン系が高くなり、肥満、多毛、色素沈着などのより深刻な状態になってしまうこともありますので。


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