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初期流産について

専門医Q&A 女性の健康

初期流産について

2015.4.8

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モコモコマムさん(39歳)

これまで顕微授精をして新鮮胚を2回移植、凍結胚を2回移植しました。
1度目は妊娠反応が出て7週目でけい留流産をし、2回目は妊娠反応が出ませんでした。
そして凍結胚を移植した1回目は妊娠反応が出たもののすぐに初期流産し、2回目はけい留流産でした。着床はするものの流産が続いているのでこの先、治療を続けてもまた流産を繰り返すのではないかと考えてしまいます。
不育症検査も行いこれといった原因もなく、ヘパリン注射とアスピリンも使ってみました。
年齢的にも治療を続けていい結果が出る可能性があるのかわかりませんし、精神的にもきついです。こんなに流産が続くものなのでしょうか。


お話を伺った先生のご紹介

操 良 先生 (操レディスホスピタル)


大学で約8年間不妊専門外来を担当し、平成4年に岐阜県下初の体外受精の成功以来、500症例以上の体外受精・顕微授精に携わり、子宮筋腫・子宮内膜症の新薬の臨床治験の担当として多くの症例を手がける。

そこで女性ホルモンに関する研究成果が認められ、平成9年度に岐阜県医学研究奨励賞を、平成11年度の日本内分泌学会では産婦人科としてただ一人、研究奨励賞を受賞。平成26年 操レディスホスピタル 院長に就任。現在もなお高度不妊治療施設間の交流に尽力し、研究・治療の向上を図る。


昭和63年
 岐阜大学医学部 卒業

昭和63年~平成13年
 岐阜大学附属病院 産婦人科講師
 体外受精を担当
 不妊・内分泌外来を担当

平成13年
 操レディスホスピタル 副院長に就任

平成26年 
 操レディスホスピタル 院長に就任




≫ 操レディスホスピタル

年齢が高くなればなるほど流産率はどうしても高くなりますね。1回の初期流産はいわゆる生化学的妊娠で厳密には流産にカウントされません。ですから、臨床上は反復流産ということになりますね。

不育症検査はチェック項目の記載がないので詳細は不明ですが、アスピリン・ヘパリン療法を施行しているくらいですから、たぶん、しっかり検査はされているのでしょう。その結果、原因不明不育症であれば、現時点での確率された治療法はないと言わざるを得ません。

ただ、原因不明不育症であれば必ずしも治療の必要はなく、一定の確率で出産に至るといわれているため、例えばカウンセリングなどの精神的支援や、施設によっては抗不安薬などを投与される先生もいらっしゃいます。当院であれば、カウンセリングの他、漢方薬を使用しています。イライラする症状には柴胡加竜骨牡蛎湯、鬱々するタイプには桂枝加竜骨牡蛎湯、気分が塞ぎ、喉や食道に何か詰まったような感じがする場合には半夏厚朴湯などです。こういった漢方薬を単独またはアスピリンやヘパリンなどと併用して服用することもおすすめしています。

さらに流産のリスクを徹底的に減らす方法としては、最近話題にもなっている着床前スクリーニング(PGS)があります。これは胚移植前に異常数胚を見つけるための診断法で、2015年2月には日本産婦人科学会が、3回以上の体外受精反復不成功例および2回以上の流産患者を対象に着床前スクリーニングを臨床研究として実施することを決定しました。まだ倫理的な問題もあり、全国的にも施行される施設は限られていますが、今後、この方法が欧米のようにスタンダードになれば、流産予防のケアの形も変わってくるのではないかと思います。


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