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胃が弱い人には漢方は合わないものでしょうか。

専門医Q&A 漢方・鍼灸

胃が弱い人には漢方は合わないものでしょうか。

2013.12.20

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JINEKO事務局さん(13歳)

アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。

【チキチキさん(41歳)】
胃が弱いのと当帰芍薬散で逆流性食道炎を発症したのでできれば漢方は使いたくないので鍼灸のみ行っているイマイチ効果が感じられません。
移植後は鍼灸はやらない方針のところなんですが、それでいいのかも不安です。
また、冷えを感じるのにのぼせとほてりにも困ってます。

主な症状
・低温期の温度が高め
・月経前イライラし、落ち込みやすい
・低温期と高温期の差が小さい(0.3度未満)
・足腰のだるさや冷えを感じる
・卵が小さい
・排卵誘発剤を使用してもたくさん卵ができない
・のぼせやほてりがある


お話を伺った先生のご紹介

竹内 聡 先生 (漢方の本陣薬局)


薬剤師
国際中医専門員A級レベル
不妊カウンセラー

日本薬局協励会、日本薬局専門同志会、生態防御研究会などで自然医学を学び、日本中医薬研究会で中医学を中国中医師のもとで9年近く学んだ後、
2004年7月、中国政府認定国際中医専門員A級レベル資格取得。
同時に不妊カウンセラー学会にて、不妊婦人病の西洋医学知識を学び、2007年6月「NPO法人不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー」の資格を取得。

 日本中医薬研究会不妊専門部会に所属し、不妊周期調節法の大家夏桂成老中医に師事。年1回中国南京中医薬大学付属病院で研修、日本、中国で不妊周期調節法の剣山を重ねている。





≫ 漢方の本陣薬局

帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は婦人病に使用される代表的な漢方薬で、むくみがちで、顔色が悪く、疲れやすい体質の方によく処方されます。
ただし、構成生薬中に胃にもたれる成分があるので、胃腸が弱い方には慎重に使う漢方薬でもあります。当帰芍薬散によって胃腸障害がおこり、漢方薬のイメージが悪くなったのはとても残念です。

胃腸の弱い方の漢方薬の選定はとても慎重に行います。
漢方薬を選定してから、必ず2週間ほどで様子をうかがい、必要であれば漢方薬の服用方法を調節します。
よく胃腸が弱い方の子宝相談を受けますが、先ずは漢方薬で胃腸症状の改善のために「健脾補気」の健脾散(参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん))、健胃顆粒(香砂六君子(こうしゃりっくんしとう))などの漢方薬でサポートしながら、通常の「周期調節法」をスタートするとあまり胃腸障害による苦情はなく、体調が良くなる方がほとんどです。
そして自覚症状がほとんどなくなるころに子宝に恵まれることも多いようです。
チキチキさんの場合、冷えを感じる半面、のぼせやほてりがあり、低温期の体温が高いなど双反する症状が見られます。
本来は冷え症のようですが、さまざまな治療などによって体に熱がこもっているかもしれません。
体の余分な熱を取り除き、本来の冷えを改善していくという少し複雑な漢方薬の選定が必要です。
二至丹(にしたん)、参馬補腎丸(じんばほじんがん)、双料参茸丸(そうりょうさんじょうがん)などの胃腸に優しくて「補腎」効果のある漢方薬、必要に応じて「気血」の流れを良くする芎帰調血飲第一加減(きゅきちょうけついんだいいちかげん)などのような漢方薬、体の余分な熱を取り除く働きの漢方薬を専門家のアドバイスのもと服用するといいでしょう。

先にでてきた「周期調節法」とは、女性の月経周期に合わせて漢方薬を服用する方法で、子宝を望む方に最適です。
もちろん、チキチキさんにもおすすめします。他にも気になる症状がありますが、多くは漢方薬の服用で改善可能な症状です。
漢方薬は本来、心と体に優しいお薬です。体質にあった漢方薬の服用で、今より良い状態になり、良い卵ができる可能性も増すと思います。
また体外受精の移植後も妊娠中も安心して服用していただけます。残された時間も少なくなってますので、漢方薬の専門家のアドバイスを受けながら体調を整えることが近道だと思います。


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