HMG/FSH法とは? 生殖医療用語をドクターが解説 !!
コラム 不妊治療
※2019年8月24日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.43 2019 Autumn」の記事です。
HMG/FSH法
卵胞刺激ホルモン(FSH)と同じ作用をもつFSH製剤を用いて、直接卵巣に働きかける卵巣刺激法です。ゴナドトロピン療法ともいわれ、一般不妊治療にも用いられます。
月経開始3日目からFSH製剤を4〜6日間、毎日注射します。エコーで卵胞の発育状態を見ながら薬の量を増減し、複数の卵胞の発育を促していきます。卵胞が成熟した時点で、LHの働きをもつHCG製剤を注射します。通常、注射後36時間で採卵となります。
ここで使われるFSH 製剤には閉経後の女性の尿からFSHを精製して作ったHMG製剤、同様に人の尿由来でもLHをほとんど含まないpurified FSH、遺伝子組み換えにより不純物を含まないレコンビナントFSHがあります。いずれも排卵誘発効果はクロミフェンよりも高いが、直接卵巣を刺激するため、多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の可能性が高くなります。また、ヒト蛋白を完全除去できていないHMGやpurified FSHによって、注射部位が赤くなる、発疹が出るなどのアレルギー反応を起こすことがあります。
出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.43 2019 Autumn
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