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【Q&A】 不正出血と思われる症状 -浅田先生

専門医Q&A 不妊治療

【Q&A】 不正出血と思われる症状 -浅田先生

5回目の人工授精の前に、生理がくるよう注射をしたら翌日から出血が。。浅田レディースクリニックの浅田義正先生にお答えいただきました。

2020.6.21

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相談者:ラッシーさん(31歳)



不正出血と思われる症状
現在人工授精を4回受けています。
黄体機能不全で生理がこなくなり、女性ホルモンを月2回注射して定期的に生理を起こしていました。
そして、5回目の人工授精のために、生理がくるための注射を打ちました。
注射の後10日~14日で生理がくるはずだったのですが、翌日に出血がありました。
担当医には不正出血で1日~2日だと思うので、様子を見ましょうと言われましたが、1週間ほど出血が続きました。
その後、完全に出血が止まることなく、注射から8日目となり、また生理のような出血が始まりました。
その後、1週間ほど出血が続き、1日~2日出血が止まり、生理が終わったかと思っていたら、また出血が始まりました。腹痛もあります。
血は赤黒い織物が混じったような状態で、2日目である現在は生理のように大量に血が出ております。
現在の出血の原因が分からず、どのように考えれば良いでしょうか?何かの病気ではないかと不安です。
また、5回目の人工授精のスケジュールを加味し、毎日の注射に通院できる6月上旬から逆算して、生理をこさせるために5/20からピルを飲むように処方されています。
この出血が続いている状態でピルを飲んで大丈夫でしょうか?
担当医が男性で質問しづらく、こちらでご教示いただきたく、よろしくお願いいたします。



浅田先生の回答




黄体機能不全で生理が来なくなったとのことですが、現在の不妊治療では、黄体機能不全という病名は使われなくなってきています。黄体の機能の良し悪しは単に排卵の結果だけであって、きちんと排卵しているにもかかわらず黄体ホルモンだけが特異的に少ない、という状態はほとんど無いからです。

月に2回女性ホルモンを注射して生理を定期的に起こしていたとのことですが、そのような生理の起こし方は、現在ではほとんど行われていません。注射の場合、ホルモンは一度に大きく作用し、その後徐々に消えていきます。女性ホルモンは、ある程度の期間、ある程度の濃度で作用するのが生理的ですので、注射によって生理を起こすことは、かなり昔の治療法と考えて良いと思います。基本的に、超音波検査や血液検査でホルモンの状態や子宮内膜の状態を適切に把握したうえで、生理や排卵をコントロールしていくことが大切です。注射を中心にしたホルモンコントロールはおすすめできません。

また、生理を起こすためにピルを処方されたとのことですが、ピルはもともと避妊のためのものであり、不妊治療においてはホルモンが効きすぎる可能性があるため、不妊治療の専門家の間ではほとんど使用されていません。

ラッシーさんの治療内容を見る限り、恐らくホルモンの専門家ではない医師を受診されているのではないかと思われます。ラッシーさんが質問しづらいのではなく、医師の方が説明しづらい状況になっているとも考えられます。結婚4年目で人工授精も5回目になりますので、治療のステップアップとともに、ホルモンや排卵誘発に詳しいクリニックへのステップアップも検討されるべきだと思います。


 



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お話を伺った先生のご紹介

浅田 義正 先生


名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。

≫ 浅田レディースクリニック

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