AMHは妊娠しやすさと関係あり?
まとめ 不妊治療
近年、不妊治療の検査としては一般的になったAMH。妊孕性(妊娠する力、妊娠しやすさ)を測るバロメータのひとつとされています。不妊治療をスタートした人は、検査を受けているのではないでしょうか。しかし、AMHのことを正しく理解していない方も多いとか。
不妊治療の基本は、正しい知識からです。AMHはどんな意味を持つのか、数値は治療にどう影響するのかについてご紹介します! この機会に、改めて数値を見直してみましょう。
AMHは卵子予備能を測れるホルモン
まず最初に、AMHとは何なのか知っておきましょう。
“AMHとはアンチミューラリアンホルモンの略。日本語では抗ミュラー管ホルモンともいわれ、もともとは生殖器にかかわるホルモンの一種です。なぜ、抗(アンチ)と呼ばれるかというと、ミュラー管というものが胎生期の女性生殖器の原型であり、AMHは、そのミュラー管の発達を抑制するホルモンとして、検出されるものだからです。
女性の場合、重要になるのは主に思春期以降です。卵巣の中にあった原始卵胞が少しずつ成熟するにつれ、卵子の周りの顆粒膜細胞からAMHを分泌し始めます。それが血液中に漏れて出てくるため、血中AMH値は発育段階の卵胞の数と比例すると考えられています。
つまり、AMHは血液検査で測れるものであり、その値は、卵巣内にどれぐらいの数の卵子が残っているか、卵巣の予備能がどれほどかを予測する目安となります。”
卵子に限りがある理由
ではなぜ、卵子の予備能、つまりこれからできる卵子の数が問題になるのかご存知ですか?
“精巣は“精子をつくるところ”ですが、卵巣は“卵子をつくるところ”ではありません。ただ単に、“卵子を保存しているところ”に過ぎないのです。
精子は、毎日1億2300万個が作られ続けており、約3カ月かけて成熟した精子になります。つまり、妊娠に挑む時、精子はいつも作りたてなのです。一方、卵子はお母さんのお腹の中の赤ちゃんの時(胎生5カ月頃)には卵子を作る源の細胞が消えてしまい、それ以降はもう卵子が作られることはありません。つまり、卵子はご自身と同じ歳月が経過しているのです。“
“卵子は胎生5カ月以降、急速に減少し、出生時には200万個まで減っています。出生後も減少を続け、初めての月経(初経)の頃には30万個まで減っています。その後も毎日30個の卵子が消えていきます。残念ながら、卵子は減少するのみで、決して増えることはありません。”
AMH値が高いと妊娠しやすい?
妊娠のため卵子に必要な条件は「数」と「質」ですが、AMHはその内の「数」を知る目安ということですね。