妊活セミナーレポート|卵子の質に影響する要素と改善法
コラム 不妊治療
3/14行われたジネコ 妊活セミナーより
卵子の質はその形態や受精、発育、着床状況などで評価されることになってくるかと思います。では、卵子の質に影響する要素にはどのようなものがあるのか、また、それを改善するためにどうしたらよいのかを簡単にご説明していきたいと思います。
卵子の質(影響する可能性のある要素)
① ストレス
② 血流:運動、温熱療法、冷え(漢方治療)
③ 抗酸化作用:新鮮野菜・果物の摂取
④ 食事:高タンパク食➜IVFの妊娠率UPとの報告あり。(リン脂質、コレステロール、ビタミン類、ミネラル類も)
⑤ FSH:卵子の栄養不足
⑥ 成長ホルモン:良質なタンパク質、筋力トレーニング、睡眠
⑦ 終末糖化産物 (AGE):ゆっくりと食べる
① ストレス
長い期間治療されているとお年も上がってきて、卵もなかなかできずに治療を止めてしまう方もいらっしゃいます。しかし、止めてから1~2ヵ月経って「妊娠しました」ということも時々あるんですね。
昨年は、早発閉経でもう閉経しかかっているのではないかという方が治療をいったん中止して、その後に人工授精を2回ほど行ったら妊娠されたというケースもありました。
このように治療というのも、かなりストレスになっているのかもしれません。そのストレスから解放されて血流が改善。良い卵ができてうまく着床したのではないかと考えられる方も年に何人かいらっしゃいます。そういったストレスというものも卵の質に影響するのではないかという風に考えています。
② 血流
よくいわれていることだと思いますが、血液の流れが滞ると卵巣に栄養やホルモンがきちんと届かず、結果的に良い質の卵ができにくいと考えられています。
運動や温熱療法、また、体が冷えやすい体質の方には漢方療法や鍼灸などもある程度効果があると考えられています。西洋医学だけではなく、プラスに働くような部分があれば東洋医学とも連携していくことも大切かと思います。
③ 抗酸化作用
細胞が酸化するというのは卵子だけではなく、体全体の老化にも関わってきます。
酸化させないようにするためには、一般的には「新鮮な野菜やくだものを多く摂りましょう」と推奨されている部分もあるかと思います。また、サプリメントのDHEAやカルニチンは、細胞で呼吸しているミトコンドリアに働きかけるといわれています。
④ 食事
「高タンパクの食事を摂ると妊娠率が上がる」というアメリカの学会での報告があります。それに合わせて、リン脂質やコレステロール、ビタミン類、ミネラル類などもバランスよく摂っていくことが大切です。
⑤ FSH
FSHというのは卵がつくりにくくなった時に上がってくるということもありますが、必要な状況に応じて卵が育つために分泌されなければいけないホルモンです。
足りていないようであれば、こういったホルモンを飲み薬や注射で補ってあげる。いわゆる排卵誘発ですね。卵子の栄養不足も質に影響してくると思います。
⑥ 成長ホルモン
成長ホルモンも卵など細胞の成長に大きく関与しています。正常な分泌を促すためには、良質なタンパク質の摂取や適度な筋力トレーニング、しっかり睡眠をとるなどの対策が良いと言われています。
⑦ 終末糖化産物(AGE)
AGEは「タンパク質と糖が加熱されてできた物質」のこと。いろいろな食べ物や飲み物の中にも含まれ、普段、食事や間食として取り込まれています。この物質も老化を進める原因の1つとなり、血管や骨など全身、引いては卵子にも悪影響を与えます。体内にAGEを溜めないためには、食物繊維を含んだ食品を先に食べるなど食べる順番を工夫したり、早食いを避け、腹八分目を心がけるようにしましょう。
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