不妊男性の○割以上が乏精子症!?男性の不妊症が意外と深刻…。
コラム 不妊治療
不妊男性の○割以上が乏精子症!?男性の不妊症が意外と深刻…。
不妊に悩むカップルは世界的にとても多く、それに伴い生殖医療もどんどん進歩してきています。これまで「不妊」は多くの場合、女性に問題があると捉えられてきましたが、じつは男性側にも原因があるケースも多く、それを男性不妊といいます。中でも問題になっているのが「乏精子症」。
今回は、この男性不妊の引き金となる病気について医師に伺いました。
精子の数が少ない!?それも不妊の原因に……
男性不妊の原因として最も多いとされる乏精子症とは、何らかの理由で精液の中の精子の数が少なくなっているものを指します。WHOの基準により数だけでなく濃度や運動率、奇形率などを考慮して判断されますが、自然に妊娠が成立するためには精子1ml中に4000万以上の精子が存在することが望ましいと考えられています。
乏精子症、2つの原因
1:精索静脈瘤
乏精子症の原因としてもっとも有名なのが、精索静脈瘤。精巣の静脈の血液が逆流してコブのように膨らんだようになる病気で、不妊男性の4割以上に見られるとも言われています。精巣のまわりに精索静脈瘤があると精巣の温度が上がったり、血流が障害され、精液の所見が悪化、または精巣のサイズが小さくなることで乏精子症が引き起こされるのです。この場合、コブをなくす手術を行うことで治癒できるといわれています。
2:ライディッヒ細胞の機能低下
男性ホルモンをつくるライディッヒ細胞と呼ばれる細胞の機能低下により、ホルモン分泌が障害されることも原因のひとつです。
無精子症の場合も……
いっぽうで、乏精子症より数は少ないものの、無精子症といって全く精子が精液中に見当たらないケースもあります。これは精子が作られているのに通り道が塞がっていて、そこから出られない閉塞性のものと、もともと精子が作られていないものがあります。それぞれの対策は、以下を参照。
<閉塞性>
閉塞をなくすことで妊娠が可能になる場合が多いようです。この代表的な原因疾患としては精巣上体炎があります。この場合、お薬で原因となる細菌を殺して腫れを引かせたり、場合によっては精路再建術といって通り道を作る手術をすることもあります。
<精子がもともと作られていない場合>
治療がなかなか困難な場合も多いですが、原因によってはお薬や外科的な治療で妊娠が可能になることもあります。
医師からのアドバイス
このように、精子欠乏が見られる場合の多くは原因がはっきりすれば、何らかの治療を行うことが可能です。最初は少し、抵抗があるかもしれませんが早目に診察や検査を受けるようにしましょう。
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