HOME > 不妊治療 > タイミング > 卵管癒着を取りました。もう一度検査したほうがいいですか?
HOME > 不妊治療 > タイミング > 卵管癒着を取りました。もう一度検査したほうがいいですか?

卵管癒着を取りました。もう一度検査したほうがいいですか?

コラム 不妊治療

卵管癒着を取りました。もう一度検査したほうがいいですか?

2017 Webコラム

2017.5.10

あとで読む





卵管癒着を取りました。もう一度検査したほうがいいですか?


清水 真弓 先生(はるねクリニック銀座)







相談者:ラテさん(27歳)


腹腔鏡下手術で卵管癒着を取った場合


先月卵管造影をした所片方閉塞、片方癒着の疑いで腹腔鏡下手術をしました。片方は切除、片方は蛇行が酷くベストではないけど卵管采を残して癒着を取ったと言われました。その言葉が不安で本当に手術で卵管が通るようになっているのかもう一度今月も卵管造影検査などをしたほうがいいのか、それとも外側の癒着を取れば卵管造影をしなくても卵管がきちんと通るようになっているのか。個人で調べてもわからずここで質問させていただきました。今後の治療についてアドバイスをお願いいたします。



 



腹腔鏡下手術のあと、もう一度卵管造影検査をしたほうがいいのでしょうか。


早めに卵管造影検査を受け、卵管が通っているかを確認したほうがいいと思います。というのも、人間の傷というのはくっつくことで治るようにできているので、癒着をはがした時の傷が治る時にくっついてしまうことがあるからです。手術中はインジゴカルミンという青い水を使って卵管が通っているかを確認するので、その時は開いていると思うのですが、そのあと癒着剥離でできた傷が治る時にくっついてしまい、また癒着ができていたり、卵管が通りにくくなっている可能性はあります。次の生理の周期でいいので、早めに検査を受けることをお勧めします。


残したほうの卵管が通っていれば妊娠する可能性は十分ありますか?


両方ある人に比べたら1周期当たりの妊娠率は少し下がりますが、タイミング法や人工受精で卵管を使った妊娠は期待できると思います。片側の卵管を取った人で、取った側からの排卵でも1/3程度は残ったほうの卵管がキャッチして妊娠したというデータもあります。卵管采が骨盤の中で動いているのですね。

ただしラテさんの場合、蛇行がひどくベストではないというのが気になりますので、結果が出ない場合は早めにステップアップすることをお勧めします。

それから、卵管が蛇行していると子宮外妊娠が心配です。妊娠された場合は子宮の中に胎嚢があったからといって安心せずに、2つ排卵した時は1つが子宮内でもう一つが卵管妊娠ということもあるので、初期に胎嚢が排卵した数だけ確認されているかを慎重に見ていったほうがいいかなと思います。


残した卵管が通っていなかった場合はどのように治療を進めればよいですか?


卵管造影検査をして、もし通っていなかった場合は、再度腹腔鏡で癒着剥離をするよりは体外受精を考えたほうがいいと思います。残っている卵管もいい状態とは考えにくいからです。

もし体外受精をされた場合、初期胚を移植すると残っているほうで卵管妊娠を起こす可能性があります。初期胚は一度卵管に戻るという説もあるからです。

ですので、体外受精では胚盤胞移植をお勧めします。5日目の胚であれば初期胚に比べて、子宮外妊娠は起こしづらくなるといわれています。




清水先生より まとめ


腹腔鏡手術の後、傷が治る時に再度癒着を起こすことがあるので、子宮卵管造影検査で残した卵管が通っているかを確認しましょう。妊娠した場合は、胎嚢が排卵した数だけ子宮にあるかを慎重に検査し、子宮外妊娠していないかを確認することも大切です。



 



[無料]気軽にご相談ください

 



お話を伺った先生のご紹介





清水 真弓 先生(はるねクリニック銀座)


信州大学医学部卒業。神戸大学医学部附属病院、東京女子医科大学病院、木場公園クリニック勤務を経て2016年10月より現職。医学博士。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。日本生殖医療学会生殖医療専門医。日本抗加齢医学会専門医。


≫ はるねクリニック銀座


 



image



 



あとで読む

この記事に関連する記事

この記事に関連する投稿

女性のためのジネコ推薦商品

最新記事一覧

Page
top