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原因不明の不妊…理由がわかる方法は? 対策は?

コラム 不妊治療

原因不明の不妊…理由がわかる方法は? 対策は?

夫婦で不妊検査を受けても、妊娠が成立しない原因が不明というケースは珍しくないようです。その理由と対策をご存知ですか?

2018.7.24

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※ジネコフリマガ秋号(8/25発刊)特集テーマは「不妊の原因」です。


 


不妊治療を効率的に行うためには、「なぜ妊娠しないのか」を知る必要が出てきます。
しかし、ある程度検査を受けても不妊の原因がわからないというケースが一定数あるのも事実です。


 


今回は不妊検査を受けても原因が不明な状態の不妊治療についてご紹介します。
知識を味方につけて、不安やストレスを減らし治療に取り組みましょう!


なぜ原因がわからない? 不妊の要因を知るには


不妊の原因が不明という事態はなぜ起こるのでしょうか? それを理解するためには、不妊治療の流れと不妊原因の究明方法を改めて知っておいたほうがいいようです。


 


“「不妊の原因がわからない」というのは、実は原因が明確になっていないだけで、「何かしら原因はある」場合も多くあります。たとえば排卵障害の患者さんに排卵誘発剤を使って治療しますし、男性の精子が少ないとなれば人工授精します。そうして見つかった問題に対して適切な治療ができたとすれば、原因はクリアされ妊娠するはずです。しかし、問題はそこから先で、「治療をしても妊娠に至らない」が原因不明です。


治療をしても妊娠に至らない場合、卵子の状態がどうなのかを考えます。排卵誘発剤を使っても、どんな卵子が排卵できているのかは見ることができません。次は、卵管に問題がなくて、精子が正常で、ヒューナーテストも問題がなければ、卵子と精子は卵管の中で出会っているだろうと想定します。しかし、出会ったとしても受精卵になっているのか、受精卵になったとしても正常に発育しているのか。これは、現在のところ検査の方法がありません。
ところが、体外受精をすれば確認することができます。なぜ妊娠しないのかという時に、人工授精の場合には「精子に問題があるから妊娠しないのかもしれませんね」と伝えるケースがありますが、体外受精をして受精卵になると、「精子に問題はないですね」になります。卵子と精子が出会っていても受精卵にならない場合は、「精子に問題があって卵子に入れないかもしれないし、卵子に問題があって精子が卵子に入れないかもしれない。どちらに問題があるかはわからないですね」と、そこで原因不明による受精障害を伝えることになります。”



“不妊治療は、治療をしても妊娠できていない段階で、また原因不明になります。(中略)最終的には、医学・医療の限界で考えれば、妊娠に至らないご夫妻は原因不明ということになります。どんな医療でも、原因が明らかにならないところが残ってしまうという事実も理解しておくことが必要ではないでしょうか。”


■【原因不明の不妊治療】原因不明不妊って?検査でわかること、わからないこと



不妊症検査はなにをどこまで受ければいい?


それでは、不妊治療のスタート時に受ける不妊検査では、何をどこまで調べればいいのでしょうか。


 


妊娠を希望して、2年間以上性生活を行っているにもかかわらず妊娠の成立をみない場合が不妊症といえます。どこかが悪いから「不妊症」なのではなくて、結果が出ていなければ「不妊症」なんですね。しかし、どうしてそうなるかというと、原因はわからないんです。


 


従来の原因分類では、男性側の原因なら精子がない、もしくは少ない、性交がうまくいかない、女性側の原因なら卵巣や卵管、子宮がうまく働かない、病気など……。しかし、こういった分類があっても、これら以外の「その他」の項目にあてはまる人が多い。多くの人は原因不明なんです。いろいろな要因がありますが、今一番大きな原因といえるのが、社会の問題。晩婚化・晩産化で不妊現象が出てきている。これは加齢の影響といえますね。


 



従来の不妊原因に加えて、現代日本ならではの要因が加わっているということですね。
では、検査で異常が見つからなかったのに不妊が続くのはなぜなのでしょうか?


 


“「見かけの原因」と「本質的な原因」とを分けて考えないと見誤りをします。基本検査は見かけの原因を見つけるものですから、「異常がない」という結果は「治療の流れのスタートラインにつける」というだけの話なんです。原因がないと誤解しないようにしてください。この結果は、今のところはすぐに人工授精や体外受精をしなければならない状態ではない、というだけなんです。治療を進めていくなかで、もしもっと「本質的な原因」があった場合は、人工授精や体外受精も必要かもしれないということです。「検査では不妊の根本原因はわからない」と思っておいたほうがいいと思います。


僕は独自に「不妊症の本当の原因」を具体的に4つ挙げています。1つ目は「ピックアップ障害」。排卵した卵子が卵巣からうまく飛び出せないとか、卵子がちゃんと卵管に入らないことです。それは卵巣や卵管周囲の癒着が原因になります。


2つ目の「受精障害」は、精子と卵子が出会っても受精卵ができないケース。精子が悪いのか、卵子が悪いのか、簡単にはわかりません。


3つ目は「卵子の質」で、卵子そのものが古くなっているということ。ヒトの卵子は胎児のときから存在していて、20年30年、場合によっては40年経ってから受精卵を作るわけです。体外受精などを行ってみると、高齢の方の卵は途中までしか育たず、多くはダメになってしまう。なぜかというと、細胞分裂のときに染色体異常を起こす率が高くなるからです。
そして、4つ目の「着床障害」は、子宮筋腫が多くあったり、子宮腺筋症などが原因で、子宮内膜の状態が悪かったり、まだよくわかっていませんが、着床のしくみに異常がある場合です。”



“この過程はミクロの世界のことですから、どこまでがうまくいっていて、どこからうまくいかなくなったかは、確かめようがない。普通なら、誰でも「悪いところだけ治して自然に妊娠したい」と思うでしょうが、不妊治療の多くは悪そうなところをバイパスして妊娠しようという治療になります。だから、治療方法を変えてみて、結果が出るかどうかで逆に判断する。”


■不妊症検査は何をどこまですればいいのでしょうか



年代によって不妊原因は違うことも 対策は?


「不妊検査で原因がわからない」と一口に言っても、ご夫婦の年代によって対応の仕方は違ってくるようです。


20代から30代前半の方の治療の進め方をご紹介しましょう。


 


“20代~35歳くらいまでの方で不妊原因が見当たらない場合は、スタンダードなステップアップの方法で治療していくケースが多いです。不妊の期間にもよりますが、まずはタイミング法を2回から3回やってみて、妊娠しない場合は人工授精を3回から4回試みます。人工授精で妊娠する人はだいたい4回までで結果が出ています。妊娠したけれど残念ながら流産になってしまったという場合を除き、5回、6回と人工授精を続けるのは、時間が無駄になっていく要因の一つだと思います。4回までで結果が出ない時は、卵子が卵管にピックアップされていないのではないかと疑い、体外受精へのステップアップをおすすめします。


 



35歳以上の場合には、不妊の原因が少しずつ変わってくるようです。


 


“不妊の原因は、年齢によってそれほど大きくは変わりません。ただ年齢が上がれば上がるほど、原因不明=卵子の質の問題になってきます。35歳以上の方で不妊の原因が検査でもはっきりしない場合は、卵子の老化が原因になっている可能性が高いと考えていいでしょう。


生理が毎月順調にきて排卵していても、卵子は老化により染色体異常を持っている確率が高くなります。そうすると、受精しなかったり、受精しても着床しなかったり、着床しても流産する確率が上がってしまうのです。
流産になってしまった時に、絨毛検査で胎児染色体を調べることがあるのですが、18番、21 番、22番のトリソミー(通常2本である染色体が3本あること)がかなりの高率でみられます。やはり染色体異常が流産の原因にもなっていることがわかります。”



“体外受精でつくられた受精卵が染色体異常を持っているかどうかは、着床前診断によってしか知ることができません。(中略)受精卵は戻してみないと正常だったのかどうかはわかりません。また、正常だったのに着床してくれないという場合もあると思います。染色体の問題ではなく、細胞質やその他の部分が良くなかったとか、たまたま移植の時に子宮内膜の状態が良くなかったということもあるかもしれません。”


■【原因不明の不妊治療】年齢によって変わる?原因不明のとらえ方と治療スピード



いかがでしたか? 人間の体にはまだまだ解明されていないことや、調べにくいことがまだまだ多いということですね。


段階を追わないと不妊原因がわからないこともありますが、だからこそ担当のドクターとの信頼関係をしっかりと築いて不妊治療に取り組みたいですね!


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