遺伝カウンセリングで流産や妊娠できない不安を解消
コラム 不妊治療
遺伝カウンセリングで流産や妊娠できない不安を解消
遺伝カウンセラーも患者さんの大事なサポーター。遺伝子疾患に関することだけでなく、流産など一般的な疑問にも気軽にご相談に乗ります。
不妊治療において、遺伝カウンセラーも患者さんの大事なサポーター。遺伝子疾患に関することだけでなく、流産など一般的な疑問にも気軽にご相談にのっている、ファティリティクリニック東京のケースを紹介します。
※2018年8月27日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.39 2018 Autumn」の記事です。
晩婚化が進み、妊娠を望む方の年齢が高くなってきました。残念ながら、女性の年齢が上がってくると卵子の質の低下や受精卵の染色体の構造異常が増えてくるので、どうしても妊娠率が下がり、逆に流産率は高くなってきます。
外来の診察でもそのようなお話はしますが、「もし異常があった場合、次の段階としてどんな検査があるのか」「この年齢での染色体異常や流産の確率はどれくらいあるのか」など、その方の疑問に対してすべてご説明するお時間がもてないということがあります。
医師や看護師が見て、不安が残っていたり、迷われているような方には診察のサポートとして、遺伝カウンセリングをおすすめして、納得できる形で治療を進めるようにしています。
Q1 どのようなきっかけで遺伝カウンセラーの資格を取ったのですか?
Q2 遺伝カウンセリングで多い相談は?
遺伝カウンセリングと聞くと「特殊な病気に関する相談をするところ」と思われる方もいるかもしれませんが、当院のように不妊治療施設に設けている遺伝カウンセリングでは実際は一般的な質問が多く、遺伝病などについて相談される方はごくわずかです。
最も多いのが流産や「何回戻しても着床しないのはなぜか」など不妊に関する漠然とした悩み。そのような方には「本当は赤ちゃんが生まれることは奇跡に近く、流産は誰にでもある」ということを理解してもらったり、年齢による流産率や妊娠率など正しい情報を提供するだけでも不安がかなり軽減されるようです。
遺伝カウンセリングは医師からのすすめで受けるケースのほか、ホームページを見て直接予約して来る方もいます。
Q3 患者さんの相談に対してどんなアドバイスを心がけていますか?
カウセリングではアドバイスはしません。まず、患者さんがお話ししやすい環境を作り、自分で話をしていくうちに、どこに不安や悩みの元があるのか、気づいていただくようにするんですね。
また「遺伝病が出る確率が高い場合、子どもを産んだほうがいいか、産まないほうがいいか」など、選択に迷っていらっしゃる時も私たちは「こうしたほうがいい」とは言いません。あくまでも結論を出すのはご夫婦です。迷いがあれば一緒に話し合い、確率や受けられる検査、診断についてなど、こちらがもっている情報を提供し、ご夫婦が一番いい選択をできるようにお手伝いしていきます。
認定遺伝カウンセラーの笠島道子さんからメッセージ
遺伝関連の相談じゃなくても大丈夫! 身近な存在としてサポートします
モヤモヤしていたら一度相談に来てください。ここから心理カウンセラーや看護師に橋渡しすることもあるので、お悩みの第1窓口という形で気軽に活用を!
出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.39 2018 Autumn
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