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ソウハ手術

専門医Q&A 女性の健康

ソウハ手術

2014.11.19

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まるさん(34歳)

二人目不妊で6回移植し1度科学的流産になった以外は陽性反応が出たことありません。
凍結胚盤胞移植AHAありグレードは全て4~6aaとか見た目では良い受精卵です。子宮鏡や着床に関しての検査は色々しましたが、得にひっかかりません。
2個移植かソウハ手術の方法もあると言われましたが2個移植はしたくないですし見た目ではキレイと言われている子宮でもソウハ手術をする事でどれだけの効果があるのか一人出産している事から悩んでいます。
このまま移植を繰り返しても意味はないんでしょうか。行き詰まっているので、宜しくお願いします


お話を伺った先生のご紹介

絹谷正之 先生 (医療法人 絹谷産婦人科)


■略歴■
昭和51年
広島市立千田小学校卒業

昭和57年
修道高校卒業

平成元年
愛媛大学医学部卒業、医師国家試験合格

平成元年
広島大学医学部産科婦人科学教室入局

平成9年
山王病院リプロダクションセンター(東京)井上正人院長のもとで高度生殖補助医療研修、顕微授精修得

平成9年
広島大学医学部産科婦人科助手(体外受精部門担当)

平成11年
McGill大学医学部産婦人科(カナダ、モントリオール)、Toronto大学Toronto Centre for Advanced Reproductive Technology (TCART)(カナダ、トロント)、Diamond Institute(アメリカ、ニュージャージー)、Bourn Hall Clinic(イギリス、ケンブリッジ)にて高度生殖補助医療研修

平成12年3月

絹谷産婦人科副院長

平成12年6月
博士号(医学、広島大学)取得

平成14年5月
絹谷産婦人科院長

趣味
サイクリング、旅行、映画鑑賞

資格
日本生殖医学会認定生殖医療専門医
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
母体保護法指定医



日本産科婦人科学会会員
日本生殖医学会会員
日本受精着床学会会員
日本IVF学会会員
日本哺乳動物卵子学会評議員
日本レーザーリプロダクション学会会員
アメリカ不妊学会(ASRM)会員
ヨーロッパ生殖学会(ESHRE)会員
広島県産婦人科医会常務理事



≫ 医療法人 絹谷産婦人科

胚のグレードは良好で、顕微授精をして受精をし、移植までいっている。しかも6回も胚盤胞移植をされていることから着床障害ではないでしょうか。今回はそれで移植する胚の「数」を増やそう、まずは2個にしてみようと提案されているのでしょう。これは妊娠の可能性を高める一つの方法だと思います。1個だと着床できないけれど、2個あればそれらが互いに協力しあって着床しやすくなるのではとの考え方があります。私の経験でも、1個を何回移植しても着床しなかった方に、2個移植した時に初めて着床することや、場合によっては双子になってしまうケースも多くあります。

ソウハ手術についてですが、まるさんは子宮鏡で子宮の中をきちんと確認されていて、異常がないといわれていますね。子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫など明らかに着床を阻害するものはないのでしょうが、それでもソウハ手術をするかどうかは感染や穿孔のリスクを考えると難しい判断だと思います。ただ、昔からよく、「ひと掻きソウハ」といって子宮内を少し傷つけると妊娠しやすくなるといわれています。最近はあまり行われなくなってきましたが、黄体機能を調べるために排卵から1週間後くらいの時期に内膜組織を採取することがあるのですが、そうするとその周期に妊娠されることが割と多くあります。体外受精治療において、子宮鏡検査や内膜組織採取など子宮内膜に何らかの刺激を行うと、着床率が何も刺激しない場合の約2倍になったという報告もあります。どの程度のソウハ手術をされるのか分かりませんが、まるさんの場合も子宮内膜に刺激を与えることで着床の確率を上げようと考えられているのではないでしょうか。

まるさんの課題は、「胚の質」ではなく「着床」だと思いますので、双子の発生や感染、穿孔等のリスクをよく踏まえた上で、これらの方法にチャレンジしてみるのはよいかも知れませんね。


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