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子宮内膜ポリープ掻爬後

専門医Q&A 女性の健康

子宮内膜ポリープ掻爬後

2018.1.27

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こりんさん(29歳)

妊活して4年目。不妊治療して2年目です。3年前子宮内膜ポリープ掻爬をやり体外受精4回ほどやりましたがすべて陰性。着床障害検査を先日やり3年前のポリープ掻爬で内膜が薄くなって着床しづらくなってると言われました。

今度3月に採卵の予定です。このような内膜の状態でも妊娠することが出来るでしょうか?次の移植まで何か出来ることはないでしょうか?


お話を伺った先生のご紹介

古賀文敏 先生 (古賀文敏ウイメンズクリニック)


昭和42年5月15日生まれ。
日本産科婦人科学会専門医、臨床遺伝専門医

母体保護法指定医、生殖バイオロジー東京シンポジウム世話人、ARTナースアカデミー世話人、日本IVF学会理事、日本レーザーリプロダクション学会理事、日本生殖心理学会理事

■経歴
大分医科大学(現大分大学)卒業後、久留米大学産婦人科学教室入局。久留米大学病院、国立小倉病院を経て、聖マリア病院新生児センターにて出産後の母子ケアを学ぶ。

1999年1月
国立小倉病院成育センター周産期病棟医長、生殖医療部門立ち上げに関わる。

2004年4月
久留米大学病院にて不妊・内分泌部門主任として多くの不妊女性の治療にあたる。

2007年5月
福岡市中央区大名 サウスサイドテラス4Fに「古賀文敏ウイメンズクリニック」開院。

2014年6月
中央区天神2丁目 天神ルーチェ5Fに移転・拡張。



≫ 古賀文敏ウイメンズクリニック

 子宮内膜ポリープ掻爬によって、確かに子宮内膜が軽度薄くなることはあります。流産の掻爬術でも少し薄くなることがわかっています。そのため子宮内膜ポリープの手術は、子宮内膜の幹細胞が存在する子宮内膜の基底層を傷つけないようにすることが大事です。切除が不十分で、後に再発したとしても、子宮内膜に負担をかけないようにすることを私自身は心がけています。

 ただ子宮内膜が軽度薄くなった場合でも、排卵誘発法によっては内膜が厚くなることがあります。私の経験では、ロングプロトコールが一番厚くなります。でもこの方法で7mm以下の場合は、一般的には厳しいと思われています。というのは、今まで低用量アスピリンやバイアグラ、G-CSFなどの薬剤では十分な効果が得られず、たまたま良い場所に着床する偶然を期待するしかなかったからです。

 でもここで内膜が厚くならない方に朗報となる再生医療が、福岡大学の宮本教授らによって開発されています。それは他科でも話題になっている脂肪由来の幹細胞を移植して子宮内膜を厚くする方法です。マウスでの基礎データや他科での安全性から、厚労省の認可もおり、今年の春から臨床応用が開始されています。何度も良好胚を移植しても着床に至らなかった原因不明の着床障害も免疫的機構の改善により、大きく改善する可能性が示唆されています。

 なかなか子宮内膜が厚くならない方、また厚さは問題ないのに着床になかなか至らない方には、お薦めかもしれません。


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