人工授精、体外受精……ステップアップの最適なタイミング
インタビュー 不妊治療
人工授精、体外受精……ステップアップの最適なタイミング
不妊治療でタイミング療法→人工授精→体外受精と治療方法を変えていく「ステップアップ」について齋藤 智博先生に伺いました。
不妊治療を始める際、特に不妊の妨げとなる疾患がない場合は、タイミング療法→人工授精→体外受精へと進んでいくのが一般的です。このように治療方法を変えていくことを「ステップアップ」と呼びます。ステップアップの方法を過去の事例も交えて、こみちレディースクリニックの齋藤 智博先生に伺いました。
タイミング、人工授精ともにめやすは6回
過去の事例から統計をとった結果、タイミング、人工授精ともに妊娠成立したケースを100%と考えた場合、95%の方が6回までに妊娠されています。この統計から、通常どちらの治療方法も6回をめやすにステップアップするか、しないかを考えていただいています。
ただ、これはあくまでも統計であり、たとえばタイミングであれば、ご本人の年齢やご希望を考慮します。妊娠しやすさは大まかにいうと34、37、40、43歳と言った年齢を境に変化していきます。34歳なら、2人は妊娠できる可能性があり、37歳は妊娠にとって大きな壁となる年齢で、43歳となると妊娠する確率は3%を切っていきます。このことをお話ししたうえで、ご本人のご希望を聞いていきます。なかにはステップアップを望まず、タイミングだけで不妊治療を終え、別のライフプランを立てる方もいますし、6回以降もタイミングを望む方もいます。
タイミングで妊娠できず、人工授精にステップアップした場合の回数も6回が目安ですが、時間的な余裕がないという理由で、4回くらいチャレンジすると次の体外受精を望まれる方もいます。逆に体外受精へのステップアップを望まず、13回目の人工授精にして妊娠されたというケースもありますので、これもご本人の希望が第一となります。当院の場合、体外受精へのステップアップを視野に入れ、その方の卵子の育ち方のクセや特徴をさぐりながら、同じ人工授精でも少し治療法を変えながら行い、体外受精へステップアップを望まれる場合には、その方にあった体外治療のクリニックをご紹介しています。