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【Q&A】凍結胚移植の移植日、こんなに早くて大丈夫?ー浅田先生

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【Q&A】凍結胚移植の移植日、こんなに早くて大丈夫?ー浅田先生

Q&Aサービスにいただいた相談、第2弾! 黄体ホルモンの補充開始から3日目に移植と言われたのですが心配です、、、浅田先生からご回答いただきました。

2019.6.26

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相談者:クレアさん(41歳)


「凍結胚移植の移植日について」
こんにちは。
5日目凍結胚盤胞を移植予定です。
ホルモン補充周期です。
D1からエストラーナテープ
D15朝から黄体ホルモン膣錠開始
D18 16時移植

自分なりに色々調べると、通常黄体ホルモン補充開始日を0日目、そこから5日目に移植というのが一般的に行われているかと思います。私のスケジュールだと、3日目に移植する事になります。
先生にも疑問点を尋ねたところ、「D14から数えてD18は5日目になる」「黄体ホルモンは3日間だろうが4日間だろうが、効果は一緒」と言われました。
ネットでは黄体ホルモンを開始してからの日数が大事と書いてあり、こんなに早く移植しては着床の窓もズレているだろうと心配です。
どうぞご意見お聞かせください。



ホルモン補充周期の胚移植日の重要性




私は、凍結融解胚移植において移植日は非常に重要だと思っています。月経周期何日目ということが問題ではなく、黄体ホルモンを開始してから胚移植を何日目に行うか、が一番重要だと思っています。


なぜなら、子宮内膜は黄体ホルモンが作用して分泌期の変化が始まりますが、その子宮内膜の変化と受精胚の発育の過程を一致させることが一番重要だと思っているからです。

例えば、6~7日目に胚盤胞になった胚を、黄体期から6~7日目の内膜に移植したら。非常に妊娠率が悪いことが分かっています。


しかし、一旦凍結しておき、黄体ホルモン開始から5日目の内膜に移植すれば、5日目の胚盤胞と遜色ない妊娠率となることが分かっています。


 


このままだと、着床の窓とズレる?


通常は採卵した日(開始日)を、0日目とみなし0日~5日の6日間、黄体ホルモンを補充したところで移植するという方法が標準的な方法だと思います。


人の場合、子宮内膜側が受精卵を受け入れることのできる正確な着床の時期というのは科学的に確立されているわけではないですが、着床の時期が限られているということは昔から言われています。この着床の時期のことを現在は“着床の窓(インプランテーション ウィンドウ)”と呼んでいます。着床の窓は3日間程度ある、と言われていますが、中には6日間程度ある、と広く考える考え方もあり、科学的には確定していません。


ですから、クレアさんが医師より受けた“生理の何日目”という説明は誤っており“黄体ホルモンを使用開始してから何日目”という説明が大事な要素となります。


 


妊娠率を上げるためには?


凍結融解胚移植は、患者さんのご都合に合わせ、黄体ホルモンの使用開始時期を1~2週間ずらして胚移植を行うことができ、妊娠率も変わりません。ただ、黄体ホルモンの投与日か、胚移植の日程をずらすと妊娠率は大きく変わると思います。


現在は、ERA検査(子宮内膜着床能検査)という、着床の窓が開いている時期がいつなのかを遺伝子レベルで調べる検査があります。子宮内膜の状態を着床可能な状態に整えても、遺伝子レベルで整っていない場合もあり、最適な胚移植の時期を判断することができると報告されています。しかし、この検査はエビデンスレベルが低く、高い評価は得ていません。


いずれにしても、黄体ホルモンを開始してから1~2日のずれは許容範囲だと思いますが、1日ずれることで妊娠率は大きく変化するだろうと思います。


 


お話を伺った先生のご紹介

浅田 義正 先生


名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。

≫ 浅田レディースクリニック


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