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【Q&A】採卵しても質のよい卵子が取れません。-浅田先生

専門医Q&A 不妊治療

【Q&A】採卵しても質のよい卵子が取れません。-浅田先生

下垂体性無月経で、卵胞の大きさにばらつきがあるといい卵子が取れないと言われ…何か他の方法で挑戦できるでしょうか? 浅田レディースクリニックの浅田義正先生にお答えいただきました。

2019.11.19

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相談者:こじさん(30歳)



採卵しても質のよい卵子が取れません。
2018年6月からクロミッドによるタイミング法5,6回、人工授精4回、体外受精3回目に挑戦中の者です。(現在3回目の採卵をしたところです)
人工授精では卵胞がたくさんできてしまい、hcgも打てず、うまく排卵していないようでした。(黄体ホルモン値もP0.05やP3など上がらないこと2/4回)4回目の人工授精では排卵を確認し、黄体期にP36となるも妊娠せず、何か他に原因があるかもしれないということで体外受精に進んでいます。
体外受精の進め方については下記のとおりです。(生理3,4日目からゴナールエフを10日間ほど注射し卵胞を複数個育てる)

■1回目 10個ほど卵胞を確認するも、5個採卵のうち2個受精(第一極体?が確認できず顕微ができない状態だった)
→胚盤胞1つで移植するも陰性。(もう一つは使えず)
■2回目 6個卵胞を確認するも、5個採卵のうち3個受精(顕微あり。2個胚盤胞、1個桑実胚)
→胚盤胞のうち1つは融解した時点で壊れて、もう1つの胚盤胞(グレードは上から2つ目)を移植するも陰性。桑実胚のものは使えず。
※2回目陰性後、1周期ピルを飲んで卵巣を休憩させる。
■3回目 8個ほど卵胞を確認するも、3個しか採卵できず。(受精個数は数日後に判明予定)

卵胞を作る際に、3回とも薬の量は変えていますが大きさにばらつきがあるようです。(例えば生理10日目で左:14,14,16,16、右:18,17,17,15,15)先生からは「大きさにばらつきがあるといい卵子(中身のある卵子)が取れない」と言われており、どうすればよいのかわからず…という状態です。
「卵は5,6個できればよい。10個以上できてもよくない」というお考えの先生ですが、毎回採卵をしなければいけないのは金銭的、精神的に厳しいものがあります。根本的な原因は「質のよい卵子が取れないこと」と言われるのですが、何か他の方法で挑戦することはできますでしょうか。ゴナールエフが体に合っていないということも考えられますでしょうか。
ちなみに、子宮内膜は毎回黄体期には10mm以上になり、ピカピカだと言われます。



浅田先生からの回答




不妊症の原因が下垂体性無月経とのことですが、、


AMH値のデータが無いのでよく分かりませんが、もともと下垂体ホルモンが非常に少なく卵胞が育たないということであれば、それなりの戦略が必要です。
クロミッドでタイミングや人工授精をされているようですが、あまり排卵していないということなので、やはり反応は悪いと考えられます。ホルモン値が分からないため確定することは出来ませんが、下垂体性かもしれませんし、あるいは視床下部性の無月経に近いのかもしれません。


 


今後の治療について


一つ言えることは、普段排卵していない人に直接注射を打っても、なかなか卵胞の良い成長は得られないということです。卵子は女性が生まれる前に作られて保存され、その後二度と作られることはありません。卵巣に保存された卵子は、排卵の半年前から育ち始めるため、育つ前から品質はバラバラです。その6ヶ月のうち後半の3ヶ月はホルモン依存で成長しますが、月経が止まっていると、そこで全く育たないということになります。

このような場合、1ヶ月だけ注射を打てば成熟卵が採れるということはあまりありません。それを考慮し、下垂体性無月経、視床下部性無月経の場合は、少なくとも3ヶ月程度はしっかりとホルモンコントロールを行い、成熟度の良い卵を採ることが大切だと考えています。

そのため、“10個以上卵が採れても良くない”という考えは、正しくありません。これは、たくさん卵が採れると、新鮮胚移植の際の子宮内膜の条件が悪くなる、ということを言っているだけです。そもそも卵胞が育つときに何個育つかは、その人の卵巣予備能に依存しますので、それをコントロールすることはできません。


 


まとめ


成熟卵を採ることを意識した採卵を行うこと、6ヶ月の卵の成長、うち後半3ヶ月のホルモン依存の成長を重視して卵巣刺激の計画を立てることにこだわった、専門性の高い施設での治療をおすすめします。


 



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お話を伺った先生のご紹介

浅田 義正 先生


名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。

≫ 浅田レディースクリニック

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