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多囊胞性卵巣ぎみです。適した刺激法、戻し方は?

コラム 不妊治療

多囊胞性卵巣ぎみです。適した刺激法、戻し方は?

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2019.12.23

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※2019年11月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.44 2019 Winter」の記事です。


はなこさん(38歳)からの相談
▶低温期なのに体温が高い
1回のIVFで授かった男児が現在1歳半となり、そろそろ2人目を考えて基礎体温の計測を再開しました。まだ夜泣きするため、毎夜最低1回は起きて泣く息子を寝かしつけます。寝不足か、ホルモンバランスが崩れているのか、低温期が平均36.7度と高めで、高温期の平均は37.1度かそれ以上の時もあります。低温期と高温期の差が0.3度以上あるので問題ないでしょうか? また、卒乳して8カ月経ちますが片乳から少し白濁汁が出ます。この状況で2人目自然妊娠は無理でしょうか? 婦人科での診察を考えていますが、海外在住のため言葉の壁が高く、詳しく聞けません。冬に里帰りするので日本の婦人科に行く予定ですが、ご相談させていただきました。

まとめ
●基礎体温には個人差があり、そもそものベースが高い人と低い人がいます。
●1人目ができたから2人目もできるはずではなく、まずは基本的な検査を。

お話を伺った先生のご紹介

竹内 一浩 先生(竹内レディースクリニック)


1989年から米国 Norfolk Jones 生殖医療研究所に留学し、体外受精と不妊治療の基礎研究を行う。1992年米国初の着床前遺伝子診断の成功に寄与。アメリカ不妊学会賞を2度受賞する。1992年竹内レディースクリニック院長就任。同時に高度生殖医療センターを併設。国内初の着床前遺伝子診断に成功するなど最先端の治療も続けている。


≫ 竹内レディースクリニック

はなこさんの相談内容に対して、どのような印象を受けましたか?


第一子を体外受精で授かっているので、2人目は自然妊娠でという気持ちもわかりますが、第一子の治療歴では、タイミングで妊娠に至らず、人工授精でも妊娠できなかったため体外受精をしたら1回目で授かったとのこと。しかし、卵巣予備能を測るAMH検査は一度もしていないので、2人目を希望するなら、まずは卵巣内の卵子の数、つまり卵巣の妊孕力がどれだけあるのかを測り、その数値が良好ではなければ積極的に不妊治療に取り組むことをおすすめしたいですね。
もちろん、ご夫婦の要望もあるので最初は自然妊娠を目指してもいいでしょう。しかし、38歳というはなこさんの年齢で、半年以上かけてなお自然にこだわることはおすすめできません。通常は3カ月から6カ月ごとにステップアップしますが、年齢的に1回ないし2回で人工授精を。もしAMHが低ければ、早急に体外受精に入っていただきたいですね。


低温期が高めの基礎体温や、今だに出る白濁汁についてはどうでしょう?


基礎体温には個人差があり、もともと体温が高い人と低い人がいます。はなこさんは低温期が高めですが、低温期と高温期の差が0.3度以上あるので何も問題はありません。卒乳して8カ月経っても白濁汁が出ていることに関しては、母乳を分泌するプロラクチンというホルモンの検査をして、必要なら投薬。同時進行で人工授精や体外受精はできますので、こちらも心配しなくてよいです。


北欧で治療を受けていて言葉の壁にも悩んでいるようです。


今は便利な翻訳機がありますし、質問や不安などをあらかじめ紙に書くというのもよいでしょう。北欧ならコーディネーターがいますので、コンタクトをとって相談してみるというのもおすすめです。当院にも外国人の患者さんが多数来院されますが、英語なら問題なく、その他の言語でも意思疎通できるように対策をとっています。要は、ご自身が治療を受けるうえでどこまで積極的に取り組むのか。欲すれば方法は何通りもあるということを知ってください。


2人目を希望する患者さんへのアドバイスをお願いします。


年齢が高い人は、次のタイミングに入るのが遅れないように早く母乳をやめること。目安は3〜4カ月で卒乳と思っていただければよいでしょう。
1人目が妊娠できたから2人目も妊娠できると思う人が大半ですが、人間の体は変化しますので、2人目の治療を再開する際にも初期の検査をすべて受けることが大前提です。その中でも特に重要なのがAMH。この数値で治療のプランが変わりますので、必ず受けてください。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.44 2019 Winter
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