コンジローマに罹ったことがあると妊娠しにくくなる?
コラム 不妊治療
コンジローマに罹ったことがあると妊娠しにくくなる?
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※2020年2月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.45 2020 Spring」の記事です。
- ぷぅさん(30歳)からの相談
▶︎妊娠しにくくなるのでしょうか? - 2年間タイミングでの妊活をしておりますが、子どもを授かることができません。5年ほど前に尖圭コンジローマに罹ったことがあります。その後症状はなく、生理もきちんときています。完治してもコンジローマに罹ったことがあると妊娠しにくくなるのでしょうか。子宮頸がんの検査も5年の間に何回か受けていますが、問題ありませんでした。今後不妊治療クリニックへの通院も検討していますが、その際は主治医に伝えるべきなのでしょうか?
尖圭コンジローマとはどのような疾患なのでしょうか
これはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされる性感染症です。性器や肛門の周辺にイボができて、かゆみや痛みを感じることもあります。一般的には、軟膏やレーザーによる焼灼でイボを除去する治療を行うことが多いようです。
ぷぅさんは5年前に罹って治療もされたようですね。その後症状がないということなら、完治したと考えていいのではないでしょうか。
ただし、コンジローマを引き起こすHPVは子宮頸がんの原因にもなるウイルスなので、今後も定期的ながん検診は継続されたほうが望ましいかと思います。
尖圭コンジローマの感染が原因で妊娠しにくくなることは?
尖圭コンジローマが不妊の直接の原因になることはないでしょう。妊娠に関してもっとも注意すべき性感染症はクラミジアです。クラミジアに罹ると知らないうちに卵管や子宮内膜に炎症を起こして、それが妊娠や着床を妨げることがあるんですね。
性感染症は不特定多数の異性と性交渉をもった場合にリスクが高まるとされています。5年前、ぷぅさんがどのような状況であったかはわかりませんが、コンジローマに罹患したということはクラミジアにも罹りやすい性交渉環境にあったということも考えられます。妊娠を考えていらっしゃるなら、クラミジアの検査もきちんと受けていただきたいですね。
通院する場合、過去の病歴を伝えておいたほうがいい?
尖圭コンジローマやクラミジアなど、性感染症については申告しにくい部分もあると思いますが、不妊原因を消去していくという意味では治療前に伝えていただけるといいですね。
ぷぅさんはまだ30歳なのに、2年間タイミングをとっても妊娠されていません。過去のコンジローマ罹患を気にされていますが、それに関してはほとんど心配はないと思います。
もしかしたら卵管の癒着や精子の不良など、ほかの原因が隠れている可能性も。恥ずかしいからといって受診を先延ばしするのではなく、なるべく早めに来院し、ご主人も一緒に基本的な不妊検査を受けることをおすすめします。
出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.45 2020 Spring
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