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【Q&A】無精子症 ー浅田先生

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【Q&A】無精子症 ー浅田先生

無精子症と診断され、精索静脈瘤手術を受けてから8ヶ月、、浅田レディースクリニックの浅田先生からご回答いただきました。

2020.4.26

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相談者:ちーかまさん(31歳)



無精子症

主人が無精子症と診断され精索静脈瘤の手術を受けてから約8ヶ月経ちます。
FSH.LH共に相変わらず基準値を超えています。FSHについては術前35だったのが8ヶ月経った血液検査では30と下がってきてはいます。ただこれを改善していると捉えていいものかとモヤモヤしています。かといってteseで精子の回収ができるかも疑問です。医師からは精索静脈瘤手術から1年は経過を見るようにと言われているようです。
このまま様子をみていてもよいのでしょうか。他になにかできることはないのでしょうか。




浅田先生からの回答




ご主人が無精子症のため、精索静脈瘤の手術を受けられたということですが、精索静脈瘤手術が、男性不妊に対して治療効果があるかというと色々、問題があります。なぜなら、精索静脈瘤の治療自体が精子所見を良くするというエビデンスがはっきりしていないからです。
無精子症の患者さんに、精索静脈瘤手術で効果が得られた、という文献は全く無い訳ではありませんが、ほんの少数です。

精索静脈瘤手術とは、体外受精や顕微授精の治療が無い時代に精子の状態を何とか良くしようと始まった治療で、精子の数、運動率を良くするための、様々な試みのひとつです。
精子の数が少ない、特に運動率が悪い精子無力症の人に対して、手術を行い、精巣あるいは精路等の活性酸素を下げることにより、精子の運動率が改善されるのではないかと考えられていました。しかし、その後もエビデンスの高い証明は示されておらず、エビデンスは低いままです。
精索静脈瘤手術のエビデンスが低い原因として、精液検査自体が、もともと変動が大きく、同じ人を一定期間フォローアップしても、運動率の変動が大きいため、手術の効果がはっきり判定できないことも、理由のひとつになります。ただ、無精子症の場合は運動率変動というレベルの問題ではありません。
未だに、不妊治療において、精索静脈瘤の手術を行うかどうかは議論のあるところです。ましてや、無精子症の方に精索静脈瘤手術をして経過を見る、というのは標準的な治療として疑問があります。

ちーかまさんにとって重要なのは、まずは、ご主人の無精子症確定診断と治療を兼ねて精巣内精子採取(TESE)の手術を行い、精巣内で本当に精子が作られているのかどうか、調べることが重要だと思います。


 



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お話を伺った先生のご紹介

浅田 義正 先生


名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。

≫ 浅田レディースクリニック

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