妊娠中の鼻づまりに塗り薬は厳禁?!皮膚や胎児への影響は
コラム 妊娠・出産
妊娠中に使用を控えた方がよい薬はいろいろありますが、鼻づまりを解消する塗り薬にも注意書きがある場合があります。何が問題なのでしょう。専門家に聞いてみました。
妊婦さんからの相談:「鼻づまり用の塗り薬は使ってはいけないのでしょうか?」
妊娠4ヶ月です。鼻風邪を引き、夜中の鼻づまりが辛いため、鼻づまり用の塗り薬を塗ろうとしたら、妊婦さんは使わないようにとの注意書きがありました。薬を飲むわけではないのに、なぜ使用してはいけないのでしょうか。(30代・女性)
妊娠期は肌が敏感なため皮膚炎になることも
肌が敏感な妊娠期は塗り薬で皮膚炎になることもあるようです。また、胎児への影響が不明の場合にも注意書きがされるとの意見が寄せられました。
市販薬の使用の際には、妊婦への注意や医師への相談などが表示されているものは避けてください。どんな薬でも使用前に主治医に相談した方がよいですし、できれば主治医に処方してもらいましょう。(産科・婦人科看護師)
皮膚に塗る薬は直接血管に吸収されないので、妊婦の使用にも問題ないことが多いです。妊婦や妊娠の可能性がある人に向けて主治医に相談するよう注意書きがあるのは、妊婦に対しての人体実験がされていないため、胎児にどんな影響があるかが実際にわからないためです。また妊娠中は肌が敏感なため、皮膚炎などを起こす可能性があるという理由で主治医に相談するよう記されています。(産科・婦人科看護師)
湿布は死産につながることも。強い成分が入ったものは普段から注意を。
強い成分が入った塗り薬や湿布の使用には日ごろから注意が必要です。湿布は胎児への悪影響が報告されているとの意見も寄せられました。
妊婦さんでなくても、ステロイドや強い成分を含む塗り薬や湿布の使用には注意が必要です。特に湿布には、筋肉の炎症を広げないよう血管を収縮させ、冷却する効果があります。妊娠後期に湿布を使用して胎児動脈管収縮を起こし、胎児が肺高血圧を起こしたり死産になった事例があり、湿布に含まれるケトプロフェンという成分が原因と報告されています。(産科・婦人科看護師)
一般的には内服薬(飲む薬)ではなく外用薬(貼ったり塗ったりする薬)は妊娠には影響が出にくく、妊娠中でもほとんどの外用薬は問題ないはず、と産婦人科医が言っていました。医師や薬剤師に相談といっても、実際に相談して問題ないといわれることもあります。まったく使えないということではありませんから、不安なら相談してみてください。(一般内科看護師)
鼻づまり対策には部屋の加湿や、鼻を温めるなどもありますから、医薬品の使用だけでなくそちらも参考にしてください。(産科・婦人科看護師)
一般的な塗り薬の多くが直接、影響を与えるわけではないようですが、皮膚炎を起こしたり、影響がわからないものもあるようです。使用前に主治医に相談し、薬以外の鼻づまり対策も検討しましょう。
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