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男性不妊の検査|男性不妊

コラム 不妊治療

男性不妊の検査|男性不妊

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2015.10.2

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不妊の原因は、女性だけでなく、男性にもある場合があります。
でも男性不妊についてはよく知らないという方も多いのではないでしょうか?
そこで、男性不妊の治療も行う京野アートクリニック高輪の京野先生に男性不妊の治療について、わかりやすく解説していただきました。



京野アートクリニック 京野 廣一先生



京野アートクリニック 京野 廣一先生

福島県立医科大学卒業後、東北大学医学部産科婦人科学教室入
局。1983年、チームの一員として日本初の体外受精による妊娠出産に成功。1995年レディースクリニック京野(大崎市)開院、2007年、京野アートクリニック(仙台市)開院。そして2012年秋、東京・高輪に新クリニック「京野アートクリニック高輪」を開院。

≫ 京野アートクリニック高輪





 




 全体の3~4割は男性に不妊の原因があります


まず「不妊」と聞くと、女性側だけの問題と思われがちですが、不妊症全体の3~4割は男性側に、2割は双方に原因がある
といわれています。だからこそ、女性だけではなく、ご夫婦揃って検査を受けることが重要です。

当院では、通常の不妊外来のほか、男性専門の不妊外来も週に1回設けていますが、受診を希望される患者さんの数は増えているようです。昔より男性不妊患者の数が増えているかははっきりわかりませんが、海外の統計では、男性の精子の数や運動率が年々低下してきているというデータもあるようです。その表れか、WHOの精液検査の診断基準も以前より正常値の値がゆるくなってきています。

環境ホルモンや食品に含まれる添加物、デジタル社会による精神的ストレスなども、男性の生殖能力の低下に影響を及ぼしているのかもしれません。


 どちらかに原因があっても治療は二人で受けるもの


男性不妊は、大きく2つの種類に分けられます。1つは、主に精神的な要因によるもの。ストレスやプレッシャー、過去の失
敗体験などから引き起こされる勃起障害や射精障害。性行為そのものができないというケースです。

もう1つは、乏精子症や無精子症、精子無力症や精子奇形症など、生殖器の機能的な要因による不妊です。「精子がまったくいないというのはまれなこと」と思われるかもしれませんが、一般男性の100人に1人、不妊男性の5人に1人が無精子症だといわれています。

昔は男性不妊の治療法はほとんどありませんでしたが、1992年から行われるようになった顕微授精をはじめ、徐々に研究が進み、適切な治療を行って赤ちゃんを授かっているご夫婦もたくさんいらっしゃいます。諦めずに治療に臨んでいただきたいですね。

早く妊娠を実現するためには、女性はもちろんのこと、ご主人も早めに検査を受けていただくことが重要です。ずっと奥さま側に原因があると思って検査を受けずにいたら、実はご主人側に問題があったというケースもあります。そういった場合、後からご主人の治療をしても、女性の年齢が高くなっていると、それだけで妊娠率は下がってしまいます。

「夫が検査を嫌がる」という声もよく聞きますが、左ページに挙げているように、男
性の検査は女性の検査に比べてずっと負担が軽いものです。内容についてきちんと理解していれば、怖かったり、恥ずかしいことはないと思います。

不妊治療はどちらかに原因があっても、「二人で一緒に受ける」という心構えが大切
です。ご夫婦一緒に不妊について理解を深めて気持ちをシェアし、その後の治療もスムーズに進めていただきたいですね。


 男性不妊の検査


男性不妊の検査には精液検査をはじめ、さらに生殖機能や精巣の状態を詳しく調べるために、泌尿器科や男性不妊専門外来では以下のような検査を行います。不妊原因のほか、がんなど命に関わる病気が見つかることもあるので、気になることがあったら男性も早めの受診をおすすめします。


●精液検査


[検査方法]
病院、もしくは自宅で精液を採って、精子の状態を調べます。精子の状態は体調などによって変わることがあるので、1回の検査で結果が悪かった場合は再検査、再々検査をして診断します。
[わかること]
精液の量や精子濃度、運動率、正常形態精子の確率、精液中の白血球、色などをチェック。結果は、タイミング法→人工授精など、治療方法や治療の順番を検討する目安にもなります。


●視触診


[検査方法]
泌尿器科や男性不妊専門外来では、睾丸の視診や触診も重要な検査の1つ。ほとんどの場合、男性
医師が行い、痛みなどをともなうことはないのでご安心を。
[わかること]
睾丸の大きさや形、重さ、瘤がないかどうかなど、目視や触感で外側から異常を調べていきます。瘤が顕著に認められる場合は、視触診だけで精索静脈瘤だと判明することもあります。


●超音波検査


[検査方法]
睾丸に超音波機器を当てて、精巣や精巣付近の状態を詳しく調べていきます。女性の超音波検査の
ように痛みや違和感はなく、短時間で終わります。
[わかること]
超音波で精巣やその上の精索部の血管の状態などをみることで、病気がわかることがあります。静脈が太く拡張し、瘤のようなものがある場合は、精索静脈瘤が疑われます。


●血液検査


[検査方法]
採血をして、LHやFSH、PRL、テストステロンなど、血中のホルモンの値を調べます。
[わかること]
LH、FSH(下垂体から精巣を刺激するホルモン)の分泌が低下して生殖機能に問題を起こしているケースも。女性同様、男性もホルモン状態をきちんと調べて不妊の原因を探ります。


出典:jineko2014 春号






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