アレルギー体質と不妊の因果関係に着目した妊活法に注目
妊活中の方がいい排卵をしているのに着床に至らないことがままあります。原因は黄体機能不全や子宮内膜が十分に育っていない、自立神経の乱れ、身体の冷えや貧血など、いろいろ考えられます。
これらの原因に加えて私が最近注目しているのは、アレルギーが原因で着床障害になっている可能性があるのではないかということです。これはあくまでも私の臨床経験から考えついたことで、アレルギーと不妊の因果関係に関しては、はっきりとした研究結果がないのが現状です。
しかし、アレルギーは鼻、のど、目など、粘膜に出ます。子宮内膜も粘膜のひとつですから、アレルギーが原因で着床できないケースもあるかもしれない……。そう考えて、アレルギーを持っている、ある患者さまの胚盤胞を移植する前後1週間、アレルギーを緩和する漢方薬を服用してもらったのです。すると、グレードの良くない胚盤胞だったにもかかわらず着床できたのです。
アレルギーがある方は漢方的に言うと、「陰虚体質」「瘀血体質」「神経敏感体質(ストレスが大きい)」「気虚体質」「血虚体質」などで、肌が乾燥していて痩せ型が多いようです。このようなタイプの場合、改善するために個々の症状に合わせた漢方薬を服用してもらう必要があります。
現代人は何らかのアレルギーを持っている方が少なくありません。アレルギー反応とは、異物を体内に入れないための反応です。受精は自分の卵子に精子が結合することです。つまり、受精卵はもともと母胎にはなかったものです。ですからアレルギー反応で受精卵を異物と認定し、子宮内膜と過敏に反応することも考えられるのです。
こうなると漢方薬などで体質改善をすることをおすすめしますが、妊活は時間に限りがあります。残りの時間が少ないとなると、どうしても焦る気持ちが強くなってストレスが溜まってしまいます。
「気力」と言う言葉がありますがこの「気」とは生命活動の根幹をなすエネルギー源のことです。「どうして赤ちゃんができないの?」と考えれば考えるほど、気は消耗していくのです。妊活では不安や悩みを抱えがちですが、妊娠するためには充実した気が不可欠。なるべく気を消耗させないためにも、ストレスは溜め込まないことです。
妊活にとって心強い味方の漢方薬は、考え方を変えることによってより効果を上げることができます。妊活に心身がくたびれてしまった方でも、体質改善していくと身体はもちろんですが心の状態も元気になっていき、考え方も変わっていくケースをたくさん見てきました。それが結果として待ち望んだ赤ちゃんを迎えることに繋がるのです。
生活の見直しも体質改善には必要です。例えば、陰虚体質の方は香辛料、カレー、アルコールは控えましょう。陰虚体質は体が水分不足で熱がこもり、冷やすことができなくなっているため、体を冷やすための潤いが必要です。しかし、香辛料やアルコールは熱をこもらせるのです。
体質改善はすぐに結果が出るものではありません。しかし、変えようとしなければ変わることもないのです。そのお手伝いをできるのが漢方薬ですが、妊活に繋がるのは漢方薬が半分、残りの半分は患者さんの考え方、そして生活改善や食養生だと思います。
薬剤師 渡邊英俊 先生
薬剤師・鍼灸師・按摩マッサージ指圧師・教員免許を持つ。西洋医学を学び、中国人の中医師に師事し、北京で研修後、JR仙台駅東口から徒歩5分の地に「中医学と西洋医学の自然流薬局」を開局。
日本生殖医療心理カウンセリング学会認定「不妊相談士(不妊コンサルタント)」、日本不妊カウンセリング学会認定「不妊カウンセラー」を取得。
また、専門学校で「生薬学」「漢方製剤学」の非常勤講師をし、中医学(中国漢方医学)を教えている。「周期調節法」による不妊相談、アトピーの脱ステロイド時の漢方法などで、多数の患者様から支持を受けている。(予約制)
NHKなどのテレビ・ラジオ出演、講演会でも活躍中!!
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