採卵数が少なくてショックです
2017/4/12 中村 嘉宏(なかむらレディースクリニック 院長)
相談者:あんぱさん(34歳)
卵胞チェックをしたのですが、左右合わせて13個ほど卵胞ができていると言われました。しかし、採卵を終えると「採卵数は8個で、いいのは3個」と言われ大変ショックでした。10個ぐらいは取れていると予想していたので、頭の中が真っ白になりました。
「卵胞チェックでは、もう少しあったと思うのですが」なんて、聞きたくても先生が怖くて聞けませんでした。採卵の誘発方法を変えるとのことだったのですが、「どのような方法になるのですか?」とたずねると、「他の者が説明するから」と一言…。先生の背中に「ありがとうございました」と言うしかありませんでした。
34才で採卵数8個は少なくないですか?ちなみに今回はアンタゴニストでした。次回の採卵はスプレキュアを使ったショート法になるみたいです。私たちは事情があり、その先生にしか見てもらえません。何とか結果を出したいのですがへこたれそうです。採卵一回でこんなこと言っていたらダメですね(涙)
アンタゴニスト法について教えてください。
アンタゴニスト法は、月経3日目からFSHやHMG製剤などの排卵誘発剤を注射し卵胞径が14mm程度の大きさになるころから、排卵のシグナルであるLHの分泌を抑制するアンタゴニストという注射を開始し突然排卵するのを防ぎつつ排卵誘発をしていく方法です。
スプレキュアを使ったショート法に比べると採卵数は少なくなる傾向にありますが、排卵のトリガーをスプレキュアで行うことにより排卵誘発の主な副作用であるOHSS(卵巣過剰刺激症候群)のリスクを軽減できるメリットがあります。
アンタゴニスト法で採卵数8個は少ないのでしょうか。
34才の方では、採卵数8個は少なくありません。卵胞チェックでは、左右の卵巣あわせて13個の卵胞が見えていたということですが、全ての卵胞から採卵できるわけではありません。また、卵胞成熟も均一に成熟するわけではなく、採卵された卵子にどうしても未成熟卵などが混ざる可能性があります。卵胞の発育は周期によって変動します。8個の時もあれば、10個以上採れるときもあるでしょう。逆に3個や4個の場合もあります。今回の採卵数は決して少ないわけではありませんし、採卵が1回目なので悲観する状況ではないと思います。
中村先生より まとめ
アンタゴニスト法にはOHSSのリスクを軽減できるメリットがあります。卵胞の発育は周期により変動しますので、採卵数8個でも決して少なすぎることはありません。