自分で家庭用心音計を使って胎児の心音を確認する際に、知っておきたいことについて、リプロダクションクリニックの松林秀彦先生にお話をお聞きしました。
胎児の心拍が聞こえるのは、病院の超音波で6〜8週目、家庭用心音計なら12週頃から。
着床後、胎児の体が形成されていく過程で、心臓は一番最初にできる器官です。胎児の心拍は早い方で妊娠6週くらい。ほとんどの方が8週目頃までに確認できます。それはあくまでも病院の超音波装置によってのことなので、家庭用の超音波心音計の場合、12週頃からになるでしょう。以前ブログにも書いたことのある「エンジェルサウンズ」という商品などは、家庭用の超音波心音計の一つです。
胎児は子宮の中で、頭を下にして体育座りのように足を抱えた姿勢になっています。12週頃の胎児の心臓の位置は恥骨の少し上あたりです。その後少しずつ上に上がっていき、左右のどちら側か(胎児の背中のある方)にずれていきます。胎動を感じる時期になったら、お腹を蹴っているのは胎児の手足なので、その反対側の背中側の方で聞こえます。妊娠後期になっても、おへその位置より上になることはまずありません。臨月になり出産の準備が始まると、逆に下のほうに降りてきます。ただし、逆子の場合はまた違ってきます。胎児の背中が、左右のどちら側になっているのか、また、逆子の場合の心臓の位置などは、病院での検診の時に聞こえる位置を参考にしたり、先生に確認するとよいでしょう。その際マジックなどで印を付けておくと、自宅でも探しやすいかもしれません。
胎児の心拍数は1分間に140〜180で、大人の2倍の速さ。
12週以降の胎児の心拍数は大人の約2倍。1分間に140〜180くらいの速さです。自分の拍動のリズムよりずっと速いのですぐにわかると思います。その速さは臨月までほとんど変わりません。心音の大きさや強さも、お腹の中にいる間はずっと同じです。心音が聞こえにくかったり音が小さかったりするのは、お腹の中での赤ちゃんのポジションによるものなので、聞こえていれば、以前より音が弱くなっているなどというような心配をすることはありません。リズムが不規則だったり、音がつっかえたりするのも、よくあることです。また、超音波の特性として、間に空気が入ると伝わりにくくなり、水分の中だと通りやすくなるので、センサーと肌との接触面にジェルなどを塗ると聞こえやすくなります。
ママの安心感や、リラックスした幸せな気持ちは、
胎児にもいい影響が。
胎児の心拍心音からわかることは、生きている、とうことそれだけです。それでも、定期検診の間が空いて不安な時や、不妊治療に取り組んでこられてようやく授かった方などにも、エンジェルサウンズのようなものを利用して、自分で赤ちゃんの心音を聞いて安心したり、幸せな気持ちになったりするのはとてもいいことだと思います。ママが心配したり落ち込んだりすると、子宮が収縮してしまうということがわかっています。ママがいつも安心してリラックスした気持ちでいることが、お腹の赤ちゃんにもいい影響を及ぼしてくれることでしょう。