「へそ灸」は妊娠しやすい身体に改善する手助けになる
東洋医学的に妊娠しやすい身体とはどのような身体をいうのでしょうか。それを知るためには、まず、妊娠中の身体はどのように変化しているのかをお話しします。
妊娠すると身体に冷えを感じていた方でも、身体が熱くなったと感じる方が多くなります。東洋医学では赤ちゃんは陽気(エネルギー)という温かい気の塊であると考えます。つまり、おなかに赤ちゃんがいる状態は生命力がたっぷりあるということです。そのため熱が増えるのです。身体に熱が増えると脈も変わります。太くて弾力があり、なめらかで伸びがある脈になります。妊娠中にこのような脈になっていれば赤ちゃんは順調に育っていると安心できます。
おなかも温かくて、ふっくら柔らかく弾力がある状態になります。わかりやすい例をあげれば、お餅に熱を加えるとふっくらと膨らむのと同じ状態です。
では、逆に妊娠しづらい身体とは、冒頭に述べた状態の逆ということになります。身体が冷えて、血液の循環もわるいので脈が細くて流れがわるく力がない。おなかも固くて弾力がない状態です。このような状態では妊娠を望むのは難しくなります。
妊娠しづらい状態とは、元々の体質ということもありますが、日常生活を送る中で様々な影響を受けて身体が変化し、妊娠しづらい状態となっている方もいます。
たとえば、元々は生命力が強く生まれてきているのに、不摂生がつづいたことで弱くなっている人もいるのです。生まれつきのことは変えられませんが、そうでないことは生活習慣で変えることができます。
妊活には食事、睡眠など日常生活の見直しも体質改善には必要ですが、ぜひ習慣化してほしいのが、自宅で行う「へそ灸」です。
へそには「神闕(しんけつ)」というツボがあります。「神闕」の「神」は自然の法則、万物を引き出すものという意味があります。また、「闕」は重要なところという意味が。つまり「神闕」は生命が宿る重要な場所、妊娠力につながるツボと言えます。またへその下には足と骨盤に流れる腹部大動脈という太い動脈がありますので、ここの血流をよくすることで、卵巣や子宮の血液循環の改善も期待できます。
へそには筋肉が少ないため温まりやすいので、おなかが冷えている人にも効果的です。やりかたはマッチ箱くらいの箱に湿らせたコットンを敷いて、もぐさを燃やします。燃えたもぐさの熱が湿らせたコットンを通過することで湿った熱となります。湿熱といって湿った熱は乾いた熱に比べて浸透性が高いためより温熱効果を得られます。
「へそ灸」は2分くらいで終わるので、1日1回を毎日続けるといいでしょう。妊娠中もできるので、妊娠中になりやすい便秘も「へそ灸」が胃腸の調子を整えてくれるので解消できます。
また、健康維持という点からも「へそ灸」を続けることをおすすめします。妊活中にご夫婦で行うのもいいですね。ひとりでは大変と思うことでも、2人でおこなえばそれほど苦にならないでしょうし、夫が妊活に参加しているという意識づけにもいいのではないでしょうか。
そあら鍼灸院 院長 松本 敏樹 先生
鍼灸師 あんまマッサージ指圧師
脈診流「漢方鍼医会」会員「入門部講師」
「東京漢方鍼医会」会員
「日本不妊カウンセリング学会」会員
認定カウンセラー
「日本生殖医学会」会員
「日本IVF学会】会員
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「へそ灸」の詳しいやり方は当院のウェブサイトからどうぞ
→ そあら鍼灸院 http://www.tokyo-ange.com/dr-infomation/