タイミングのとり方が合っているかモヤモヤします
コラム 不妊治療
タイミングのとり方が合っているかモヤモヤします
「HCG当日も伸びるおりものは出ましたが、前日より量は少なかった気がします。言われたように当日夜にタイミングはとったのですが、ずっとモヤモヤしています。」
タイミングのとり方が合っているかモヤモヤします
石原 尚徳 先生(久保みずきレディースクリニック)
相談者:アコさん(34歳)
排卵前後の超音波による内膜と卵胞について
タイミング指導で妊娠を目指しています。クロミッド®で卵胞が育たなかったので、4周期目はセキソビット®に替えました。スピードは遅いですが、D25で子宮内膜7.5㎜、卵胞19.4㎜に。D27にHCGを打ちました。(内膜9.4㎜、卵胞23㎜)。タイミング指導では同日と翌日にと言われています。HCGを打つ前の超音波で内膜が白く映っていました。内膜が白いのは排卵後と聞いたことがありますが、排卵後だったのでしょうか。HCGを打つ前日のD26に体温が36.05℃で最低体温になり、子宮やその横が微妙に痛み、伸びるおりものも出ました。HCG当日も伸びるおりものは出ましたが、前日より量は少なかった気がします。言われたように当日夜にタイミングはとったのですが、ずっとモヤモヤしています。
タイミング法について教えてください。
タイミング法は基礎体温、超音波検査、ホルモン検査などで予測した排卵日にもとづいてタイミングを取り妊娠の確率を高める方法です。自然周期によるタイミング法のほかに、排卵誘発剤を用いて複数の卵子を育てて受精の確率を高める刺激周期による方法があります。
一般的にタイミング法の場合は、排卵日の4日前〜前日までが妊娠しやすいと言われています。なかでも有名な欧米のデータによると、排卵日の2日前の妊娠率がもっとも高いとされています。精子の寿命は2日程度なのに対し、卵子の寿命は排卵後約24時間以内と言われています。排卵当日から妊娠率は低下しますので、排卵日までにタイミングをとることがポイントになります。
アコさんのタイミングのとり方について、どう思われますか?
月経から排卵までの卵胞期は、脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモンの影響により、成熟卵胞へと成長します。排卵が近づくと卵胞の大きさは18〜20㎜、子宮内膜の厚さは10㎜前後になります。わかりやすい排卵の兆候としては、透明で伸びるおりものが増えたり、下腹部に痛みを感じることがあります。一般的には、この時期を排卵が近い目安としてタイミングをとっていただくといいと思います。
アコさんの場合、卵胞の大きさはD25で19㎜、D27で23㎜とのことですが、排卵の目安は20㎜前後とされていますので、卵胞が19㎜になった時点でタイミングをとると良かったかもしれません。この方は、卵胞が23㎜の時点で排卵をうながすHCG注射を打っていますが、予想に反して早めに自然排卵していることもあります。超音波で内膜が白く映っていたとのことですが、超音波のビームが入る方向によって白く映ることもあるので排卵していなかったかもしれませんが、アコさんがおっしゃる通り、排卵後だった可能性もあります。
一般的な目安として、28日周期の人であれば生理が5〜6日目に終わり、その1週間後に排卵します。生理後2日に1回のペースでタイミングをとっていれば自然排卵で妊娠することもあります。先生にいわれたピンポイントの日だけではなく、卵胞が育ってきたら自主的にタイミングをとるようにしましょう。
今後のアドバイスをお願いします。
月経不順による治療歴が1年とのことですが、身長168㎝、体重54㎏と痩せていらっしゃるので、これも排卵障害、月経不順の一因かもしれません。これまで何回タイミング法を試されているのかがわかりませんが、一般的にタイミング法を4〜6回繰り返しても結果が出ない場合は、人工授精へのステップアップも検討されるべきでしょう。
ただ先ほどお話ししたように、まずは卵胞が育ってきたら2日に1回タイミングをしっかりとることから始めてみてはいかがでしょうか。
石原先生より まとめ
●生理終了後は排卵までに2日に1回のペースで自主的にタイミングを。
●4〜6回のタイミング法で結果が出ない場合は人工授精の検討も。
出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn
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