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妊娠期の栄養管理について

インタビュー 妊娠・出産

妊娠期の栄養管理について

2017Webコラム

2017.10.10

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妊娠期の栄養管理について


2017/10/10 田村 和司 先生(たむらレディースクリニック)






妊娠したからといって、栄養を摂りすぎない


妊娠中はお腹の赤ちゃんの成長のためだけではなく、妊婦の方自身の健康を維持するために食べ物や飲み物に気を配る必要があります。といっても、特に食事内容を変えることはありません。例えば仕事で忙しい方が、妊娠したから食事をすべて手づくりするというわけにもいかないでしょう。栄養バランスに気を配りながら、今までと同様の食事をしてください。

それよりも注意したいのは『赤ちゃんの分と二人分の栄養を摂らなくては』という間違った考え方。これは、親世代の方や年配の方から言われることが多いようです。しかし、妊娠初期には、妊娠前に比べて一日あたり150キロカロリー増やせばいいとされており、これは小さなお茶碗にごはん軽く一杯程度の量です。妊娠すると栄養吸収率が上がり運動量が減るので、どうしてもふっくらされる方が多いです。出産時までに、標準体型の方なら体重10キロ増までが目安とされていますから、必要以上に栄養を摂りすぎないことが大切です。

 



アルコールは避け、乳製品、肉や魚の加工方法にも注意して


とはいえ、避けなくてはならない食品もあります。赤ちゃんの発育に悪影響を与えるリスクがあるアルコールは控え、カフェインの摂取もほどほどにしましょう。また、加熱処理されていない乳製品、生ハムなどの食肉加工食品、スモークサーモンなどの魚介類加工品は食中毒のリスクがあり、レアステーキやレバ刺しなど、加熱不十分な肉はトキソプラズマ感染の恐れがあるので避けたほうがいいでしょう。妊婦が感染すると赤ちゃんにも感染する恐れが生じ、これが流産や早産などの原因となる場合もあります。

 



サプリメントを上手に活用して葉酸の補充を


一方で妊娠中には特に意識して摂りたい栄養素もあります。まず、鉄分です。妊娠中は貧血になりやすく、歩いている時にふらつくと危険なので、小松菜や大豆食品などで鉄分を多く摂取して貧血対策をとりましょう。

そして葉酸の摂取も大切です。妊娠初期に葉酸の摂取量が不足すると、赤ちゃんの神経管閉塞障害などのリスクが高まります。葉酸はブロッコリーやホウレン草、イチゴなどに多く含まれていますが、当院では手軽に確実に摂取できる方法としてサプリメントの飲用を勧めています。
さらに、赤ちゃんの骨や歯をつくるカルシウムも、妊婦中にきちんと摂りたい栄養素です。乳製品や小魚などに多く含まれています。

 



妊娠する前から、栄養バランスのいい食事を心がけたい


妊娠したら食生活を見直すのではなく、健康管理のためにも日頃からバランスのいい食生活を心がけることが大切です。また、初めての妊娠ではネットの情報や周りの人たちの意見に振り回されやすいので、気になることは医師や看護師に直接相談してください。心配だからといって自分で情報を集めすぎて、逆に混乱してしまう方もいらっしゃいます。

サプリメントの是非についても、当院ではていねいに説明し、納得したうえで利用してもらっています。正しい情報を得るために、我々のような妊娠出産の専門家を上手に活用してください。

 


 



お話を伺った先生のご紹介





田村 和司 先生(たむらレディースクリニック院長)


昭和大学医学部卒業後、昭和大学病院、共立蒲原総合病院、国立伊東温泉病院など地域中核病院を経て平成12年にクリニック開業。妊娠、出産から産後まで、常にお母さんと赤ちゃんが心身ともに健康でリラックスして過ごせるよう、トータルなサポートを提供している。
自他ともに認めるガンダムファン。趣味はゴルフ。雄大な富士山を望む地元のゴルフ場でプレーを楽しんでいる。


たむらレディースクリニック


 




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