漢方の補腎薬と生活養生で 卵巣機能低下を改善
中医学では女性の卵巣機能は「腎」にコトントロールされていると考えます。ですからこの「腎」の働きが悪いと不妊傾向になりやすいのです。
そもそも「腎」とは何でしょうか。西洋医学で腎臓といえば、体液から不要な物質を膀胱へ運んで、尿として排泄する臓器ですが、中医学の「腎」はそれだけではなく、生殖をつかさどるとされています。
ですから、妊娠に関しては「腎」の働きが大きく関わると言えます。不妊症の方は「腎虚」という「腎」の働きが思わしくない状態になっています。もちろん、卵巣機能低下も「腎虚」と言えます。
それに加えて、卵巣機能低下の方は、胃腸の状態が悪い方が少なくありません。胃腸が弱いと月経血が充分作られないため、月経不順や不妊の原因となります。このような症状には漢方の「健脾(けんぴ)薬」を服用します。
腎の働きを充実させるには植物性の漢方薬だけでは足りないこともあるので、動物性の漢方薬も使います。中医学には「補腎薬」が数多くありますので、年齢やFSH(性腺刺激ホルモン)の数値などによって、服用する漢方薬がかわります。
もちろん高齢の方でも、「腎」を補うことによって、卵巣年齢(腎年齢)を実年齢よりも若く維持することができるので、より良い卵子の排卵が期待できます。
食事と睡眠も卵巣機能低下の方は気をつけましょう。食事は甘いもの、冷たいもの、油っぽいものは控えます。卵巣に影響する女性ホルモンは夜作られるので、睡眠もたっぷりとりましょう。
小島 晃 先生 (小島薬局本店)
1967年北海道生まれ。東京薬科大学卒業。北京中医薬大学日本校卒業。薬剤師・国際中医師・湖北中医薬大学客員教授・横浜薬科大学客員教授。日本在住の名中医・寇 華勝先生に師事して経験を重ね、2003年発刊の「東洋医学の名医134人徹底紹介」に紹介される。不妊症の経験も豊富で、これまで650組以上の妊娠を成立させている。現在、㈱小島薬局本店代表として、小島薬局本店で漢方相談を行いながら後進の指導や講演活動を行い、中国医学の普及に努めている。著書に「体にやさしい妊活漢方(現代書林)」などがある。
<外部サイト>
店舗で相談してみる
→ 小島薬局漢方堂 http://kanpodou.com