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右乳房から乳汁が出る

専門医Q&A 女性の健康

右乳房から乳汁が出る

2017.6.26

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マキさん(41歳)

私は、結婚をしたばかりで、41歳ですが、望みがあるのなら、子供が授かればと思っています。しかし、右乳房から母乳のような少量の乳汁が出ます。もちろん妊娠もしていません。この状態では、妊娠は難しいのでしょうか?
よろしくお願いいたします。


お話を伺った先生のご紹介

浅田義正 先生 (浅田レディース名古屋駅前クリニック)


医学博士
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
日本生殖医学会認定生殖医療専門医


1982年 名古屋大学医学部卒業

1988年 名古屋大学医学部附属病院産婦人科医員として「不妊外来」および、「健康外来(更年期障害・ホルモン補充医療法)」の専門外来を担当

1992年 医学博士

1993年~1994年 米国最初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精(卵細胞質内精子注入法:ICSI)の基礎的研究に従事
The Jones Institute For Reproductive Medicine, Eastern Virginia Medical School, Norfolk, Vairginia

1995年 名古屋大学医学部附属病院分院にてICSIによる治療開始。以後、辞職まで名古屋大学の顕微授精症例の全症例を自ら担当同年5月、精巣精子を用いたICSIによる妊娠例の日本初の報告

1998年 ナカジマクリニック不妊センター開設

2004年 浅田レディースクリニック(現浅田レディース勝川クリニック)開院

2010年 浅田レディース名古屋駅前クリニック開院

2018年 浅田レディース品川クリニック開院


【著作本】
「浅田レディースクリニック パーフェクトガイドブック」
初めての不妊治療クリニック選びに迷っている方や
当院の治療方針に興味をお持ちの方にお読み頂きたい本です。




≫ 浅田レディース名古屋駅前クリニック

乳汁というのはお産の後に出てくるものですが、妊娠中期で流産した後でも出ることでもあります。要は、ある程度女性ホルモンが高くなってそれが急になくなった反動で分泌するメカニズムになっています。

また、妊娠中、授乳中というのは乳汁漏出ホルモンであるプロラクチンが高く、母乳の分泌に一番関係するホルモンですが、それだけで乳汁分泌のすべてが説明できるかというとそうでもありません。プロラクチンを測ると低いのだけど少し出るという人もなかにはいて、プロラクチンだけでは説明できない乳汁分泌はあります。

不妊治療の場合は、プロラクチンが非常に高ければ、妊娠中や授乳中と同じ状態で排卵しにくかったり流産の原因になることもあるため、高プロラクチン血症の治療も必要になります。ただし、プロラクチンが少々高くても、月経周期がきちんとある人であれば、プロラクチンを下げることによって妊娠率を高める効果はないといわれています。つまり、生理不順でなければ少々の高プロラクチン血症は放っておいても大丈夫。ですから、マキさんの場合の乳汁分泌はそんなに気にしなくてもいいのではないかと思います。

ただ、気になるのは月経周期と生理が4日ほどで終わるということです。一般的な若い人の月経周期は28~32日くらいですが、25とか26日という短い周期は、卵巣予備能が少し低くなり、女性ホルモンの基本的なレベルも低くなって、その反動で下垂体ホルモンが増えて卵が育つ期間が短くなっていることが考えられます。

というのも、卵は大体半年くらいかけて育ってくるものですが、その後半期の3ヶ月くらいはホルモン依存で育ちます。その際に下垂体ホルモンのLHやFSHが常に高い状態ですと、卵が少し早めに育ってしまうのです。

つまり、きちんと排卵しなくても、卵が育って黄体化を起こしてホルモンが作られれば生理は来てしまいます。40代になってそういう傾向が強くなっているのかもしれません。これは卵がなくなる前の黄信号です。高齢になると月経周期は一旦、短くなり、それからまた長くなって閉経に向かうものなのです。

以上のことを考えても、さっそく不妊治療を始めてほしいと思います。同じ41歳でも、長い期間治療してきた人よりも、過去に治療歴のない人の方がいい結果は出やすいと実感しています。きちんと受精卵を作れば、年齢相応の妊娠率が望めると思いますよ。


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