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多嚢胞性卵巣でフェマーラが効きません。漢方どうですか?

専門医Q&A 漢方・鍼灸

多嚢胞性卵巣でフェマーラが効きません。漢方どうですか?

2010.9.16

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智さん(32歳)

3年の不妊治療の末、1人目を初めてのフェマーラ服用の自然妊娠で授かることができました。 そして9月に断乳をして即治療を始めましたが、今回は、小さい卵だらけでダメでした。
『ジネコ』で話題になる多嚢胞は、「食生活を変えるとよい」のには納得です。 食生活を変えて、鍼灸院に通い、なるべく運動もして......。

そして漢方に興味を持ちましたが、実際、多嚢胞で効果のあった方はいらっしゃるのでしょうか? とにかく排卵までこぎつけて、治療の第一歩に進みたいです。


お話を伺った先生のご紹介

斎藤寛幸 先生 (サイトウ薬局)


昭和58年10月漢方専門サイトウ薬局を開設。北京中医医院などで多くの臨床を経験し1996年中国衛生部(厚生省)国家中医薬管理局から日本人として初めてA級国際中医師の資格を取得。
中医学免疫研究の第一人者である北京中医薬大学 秦 漢こん教授に直接師事し、長年にわたり皮膚病、婦人病、生活習慣病を研究。



≫ サイトウ薬局

まずはどのタイプの病型かチェックしましょう
多嚢胞性卵巣症候群は、多数の卵胞の嚢胞状変化(12個以上)、そして月経異常や内分泌検査でのLH(黄体形成ホルモン)の高値とFSH(卵胞刺激ホルモン)の変伴う病気です。排卵障害の患者さんの約1割以上にこの多嚢胞性卵巣がみられるといわれます。

治療には主に、クロミフェンなどの薬物を使い、排卵誘発法を用いますが、およそ半数の方には薬が効かず、無効です。漢方医学では、多嚢胞性卵巣の患者さんには3つのタイプの病型があると考えられており、

1. 腎陽虚(じんようきょ)
2. 脾虚湿盛(ひきょしっせい)
3. 肝鬱化熱(かんうつかねつ)

に分類されています。
それぞれの症状の特徴は、
「腎陽虚」の方はおなかが冷えやすく手足が冷たい、頻尿、腰痛があり、このタイプの患者さんはよく腰が折れそうなほど痛いと表現されます。
「脾虚湿盛」の方は、おりものの量が多く、むくみや肥満傾向があり、胃が気持ち悪くなることが多いなどの症状があります。
「肝鬱化熱」の方は、イライラしやすく、目の充血、乳房脹痛、にきびが多い、多毛などの症状があります。従って、多嚢胞性卵巣と診断されても症状によって使う漢方薬も予防の仕方もそれぞれ異なります。
「腎陽虚」の場合は、冷えて低下している腎機能を改善します。予防としては、腰から下が冷えないようにすることがとても大切です。
「脾虚湿盛」の場合は、脾胃(消化器系の臓器)を健常化し、気や血の流れが滞っている状態を解消し、生殖機能を改善します。予防としては、脂っこい食事や甘いものの取りすぎに注意し、脾胃に負担のない食生活を目指しましょう。
「肝鬱化熱」の場合は、肝気の流れをよくし、気血失調を解消して生殖機能を改善します。予防としては、リラックスを心がけ、気をのびのびとさせることが大事です。温泉やマッサージなどへ行ったりするのもよいと思います。
多嚢胞性卵巣と漢方薬の関係について
ホルモン療法と異なり、多嚢胞性卵巣症候群の漢方治療は、低下している機能を助け、気血の流れを改善していきます。その結果、卵巣機能の回復につながっていくケースもありますので、自然に生理が来てびっくりされる患者さんもいらっしゃいます。

ただし、多嚢胞性卵巣症候群は治療が難しい部類に入りますので、ある程度の長い治療期間が必要となり、また生薬を煎じるタイプの漢方薬を使うことが多いです。多嚢胞性卵巣症候群といっても、症状によって処方する薬も異なりますので、一度、漢方専門薬局でご相談されることをおすすめします。


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