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多嚢胞性卵巣症候群には、瘀血と痰湿を改善する漢方薬をベースにした治療を

コラム 不妊治療

多嚢胞性卵巣症候群には、瘀血と痰湿を改善する漢方薬をベースにした治療を

2018.4.1

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多嚢胞性卵巣症候群には、瘀血と痰湿を改善する漢方薬をベースにした治療を


多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の患者さんは増えているのが現状です。原因として考えられているのは、食事が欧米化したことや日常生活で抱えるさまざまなストレスなどです。
病院で超音波検査を受けると、卵巣の表面に直径5~10ミリほどの小さな嚢胞が複数連なって見えます。これが真珠のネックレスのようにみえるので、ネックレスサインとも呼ばれています。
PCOSは多嚢胞性卵巣症候群といい、多嚢胞性卵巣(PCO)とは区別されます。症状としてはPCOSの方が重いのです。軽い人は月経周期が遅い程度ですが、重度になると無排卵、つまり、月経がこなくなります。状態が悪化すると、卵巣の中にある卵胞は成長するものの、卵巣の皮膜が固いため排卵しづらいという症状が生まれるからです。重度のPCOSは、排卵障害の中でも難治性の疾患と言えます。
軽度の場合と重度の場合では対応が異なりますが、瘀血や痰湿を改善する漢方薬を服用します。PCOSの方は排卵しにくいですが卵子の質が悪いわけではないので、一部の重度な方を除けば、漢方薬による体質改善は非常に有効です。

一方、重度の人には必要に応じて補腎を行い効果を高めますが、クロミッドなどの排卵誘発剤を併用する、つまり中医学と西洋医学の両方から治療をすすめたほうがより効果的なこともあります。
血液検査では、LHの高値、男性ホルモンの高値、インスリン抵抗性などが見られます。 中医学では、PCOSは卵巣の周りに瘀血(おけつ)や痰湿(たんしつ)がこびりつき、卵巣膜が硬くなった病態と考えます。
軽度の場合と重度の場合では対応が異なりますが、瘀血や痰湿を改善する漢方薬を服用します。重度の人には必要に応じて補腎を行いますが、クロミッドなどの排卵誘発剤を併用する、つまり中医学と西洋医学の両方から治療をすすめたほうが効果的なこともあります。





小島 晃 先生 (小島薬局本店)

1967年北海道生まれ。東京薬科大学卒業。北京中医薬大学日本校卒業。薬剤師・国際中医師・湖北中医薬大学客員教授・横浜薬科大学客員教授。日本在住の名中医・寇 華勝先生に師事して経験を重ね、2003年発刊の「東洋医学の名医134人徹底紹介」に紹介される。不妊症の経験も豊富で、これまで650組以上の妊娠を成立させている。現在、㈱小島薬局本店代表として、小島薬局本店で漢方相談を行いながら後進の指導や講演活動を行い、中国医学の普及に努めている。著書に「体にやさしい妊活漢方(現代書林)」などがある。




 




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