月経前困難症と月経前にひどくなるアレルギー症状を改善したいのですが
相談者
マピコさん(40歳)
■ 足の冷え、月経前の情緒不安定やむくみなど、月経前困難症を改善したいと思っています。また、月経前にアレルギー症状(じん麻疹、鼻炎)がひどくなるのは、何か因果関係があるのでしょうか?
西洋医学のホルモン療法と中医学の漢方薬の効果を最大限に活かせる「周期調節法」を
マピコさんの気になる症状で、一番先に目に入ったのが「不妊治療にストレスを感じている」でした。
PMSや月経前のアレルギー改善が「妊娠しやすい体質」につながる
月経前の不定愁訴、つまり月経前症候群(PMS)の症状である、イライラ、怒りっぽい、落ち込みやすいという情緒不安定、また、過食気味、食欲不振、月経前のむくみ、足の冷えなど、ストレスからでている心身の不調。これらをご自身も改善したいと思うのはもっともなことです。中医学ではPMSを「気滞」「肝鬱気滞」と考え、対処します。ストレスから「気」の流れが悪くなって「気滞」または「気滞瘀血」となり、それが「肝熱」や「鬱熱」を生じてイライラ、怒りっぽい、落ち込みやすいという症状がおこるのです。また、「気滞」で流れが悪くなると、足の冷えやむくみが生じます。この症状の改善には「疏肝理気」「理気活血」の漢方薬で「気の流れ」を良くします。また、月経前にアレルギー症状(じん麻疹、鼻炎)もひどくなるようですが、これは月経前のホルモンが不安定になることで免疫も不安定となり、アレルギーがひどくなるのです。この原因を中医学では「肝鬱」と「腎虚」と考えます。ですので「疏肝」と「補腎」の漢方薬で症状改善し免疫を安定させます。PMSや月経前のアレルギー改善が、自律神経系、ホルモン系、免疫系を安定させ「妊娠しやすい体質」につながるのです。とはいっても「妊娠力」を上げるには自身の弱点を知り、その体質改善をしなければなりません。
周期調節法なら身体全体の機能を整えながら、妊娠しやすい体質に改善できる
マピコさんには、中医学の漢方による「周期調節法」をおすすめします。この方法は、西洋医学のホルモン変化に合わせて中医学の漢方薬効果を最大限に活かし「妊娠しやすい体質」に近づけます。周期調節法のメリットは、身体全体の機能を整えながら、「質の良い卵」「着床しやすいふかふかの子宮内膜」をつくり、妊娠しやすい体質に改善できることです。マピコさんに合った周期調節法で体質改善し「妊娠力」を高めたら、西洋医学の治療が、より効率よくいくと思います。
峯崎 リヨ子先生
薬剤師。日本不妊カウンセリング学会会員、認定不妊カウンセラー。認定日本食品保健指導士。日本中医薬研究会の不妊講座で周期調節法を学び「南京中医薬大学病院」「広州中医薬大学病院」などで研修。不妊症をはじめ、さまざまな相談を受けている。「最新東洋医学の名医134人(有楽出版社)」で紹介される。